「人手不足につけ込んだ汚いやり方」 憤る被害者 求人サイトトラブル

「人手不足につけ込んだ汚いやり方」 憤る被害者 求人サイトトラブル

求人サイトの運営会社から送られてきた規約書を示す薬局の担当者。「自動で有料になるという説明は事前に一切なかった」と訴える=佐賀県で2019年6月8日、石井尚撮影(画像の一部を加工しています)

 「一定期間無料」をうたうインターネットの求人広告サイトを巡り、全国でトラブルが多発していることが明らかになった。高額な掲載料を請求され、実際に支払った事業者が毎日新聞の取材に応じ「有料になるという説明はなかった。人手不足につけ込んだ汚いやり方だ」と憤る。【石井尚】

 佐賀県内に数店舗展開する薬局の担当者に、求人広告サイトの運営会社から「3週間無料のキャンペーンで登録しないか」と電話がかかってきたのは今年3月。働き方改革に対応するため、薬剤師を増やそうとハローワークに求人情報を届け出た直後だった。

 運営会社側から「3週間無料」「急いでファクスで返信してほしい」と繰り返され、あまり期待はしていなかったが、ファクスで届いた申込書や規約書に社名などを書き込み、送り返した。電話で「3週間無料の分だけ」と伝えたため、「3週間過ぎれば勝手に情報が消されるだろう」と思い込んでいた。

 4月末、突然約45万円の請求書が届いた。慌てて細かい字が並ぶ「規約」に目を通すと、「3週間以内に書面による解約の申し入れ」をしないと有料契約に切り替わるという趣旨の一文があった。

 「年度末の忙しい時期で、規約の中身を見落としていたのはこちらの落ち度。でも電話では自動更新の説明は全くなかった」。納得はいかなかったが争うのをあきらめた。

 このサイトを通じた応募はいまだに一件もない。「薬剤師は田舎では集まりにくく、人材不足。弱みにつけ込まれた。高い授業料と思うしかありません」。お金は支払ったが悔しさは募る。

 群馬県のある金属加工会社も今年4月、電話で勧誘され求人広告を出した。契約が自動更新されたことを知ったのは5月の大型連休明け。連休中に届いていた約18万円の請求書に気付いた社長は、すぐにサイトの運営会社に電話し「日割り計算で料金を少なくしてもらえないか」と頼んだ。だが、取り合ってもらえず「払わないと裁判沙汰になりますよ」と通告された。

 「100万円、200万円の大きい金額ではないし」。渋々支払ったが、この間、サイトを通じた求人はやはりなかった。社長は吐き捨てるように言った。「もう二度と関わりたくない」

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