吉本芸人「パイセン」 迷子の保護犬2週間ぶり見つけた! 「もう逃げたらアカンで」

 保健所から引き取られ、兵庫県尼崎市で飼われていた保護犬の「かまど」(雌、10カ月)が4月、散歩中に行方不明となり、約2週間後に市内で見つかった。発見したのは、漫才コンビ「矢野・兵動」で「パイセン(先輩)」の名でも親しまれる矢野勝也さん(48)=よしもとクリエイティブ・エージェンシー。痩せ細った犬に餌をやって別れた後、迷子の犬と気づき、徹夜で捕獲に協力した。飼い主や犬の保護活動に取り組む団体は「見つかったのは奇跡」と感謝する。

 4月28日の深夜。矢野さんは車で帰宅中、道をフラフラと歩く動物の影に気づいた。あばら骨が浮き出るほど痩せた犬だった。かつてトリマーを目指したこともあるほど犬好きな矢野さん。「野良犬」と思い、車の窓から菓子パンを投げ与え、近くのコンビニ店でドッグフードを買い込んで食べさせた。矢野さんは「むやみに餌をあげてはだめと分かっていた。でも、このまま餓死するくらいなら、最後に一口だけでも食べさせたかった」。

 別れて家に帰る途中、近くに張られたチラシに気づいた。「『かまど』をさがしています」の文字に写真が添えてあった。「この犬だ」。ピンときた矢野さんは、すぐに記された携帯電話番号宛てに「犬いるねんけど」とメッセージを送信。駆けつけた保護犬団体のスタッフらと一緒に、逃げ回るかまどを空き地に追い込み、明け方にようやく捕まえた。

 かまどは中型の雑種。四国の保健所から神戸市兵庫区の一般社団法人・GUARDIAN(ガーディアン)が引き取り、3月に里親に名乗りを上げた尼崎市の会社員、牡丹(ぼたん)嘉絋さん(41)の家族になった。逃げ出したのは4月16日明け方。自宅近くの公園を散歩中、何かに驚いて跳び上がった拍子に首輪がちぎれ、パニック状態で走り去ったという。

 連絡を受けたガーディアンの秋山文子代表(46)やスタッフらは連日、公園周辺を巡回し、情報提供を求めるチラシ5500枚を配布。牡丹さんも仕事の合間に捜したが、有力情報は皆無だった。

 犬捜しは2週間が勝負とされる。「餌を求めて徘徊(はいかい)し、交通事故に遭う可能性が高まる」(秋山代表)ためだ。その「デッドライン」目前での発見に、牡丹さんは「感謝しきれない」と喜び、秋山代表も「矢野さんが見つけてくれなかったらどうなっていたか」と話す。

 元気を取り戻したことを伝え聞いた矢野さんは、「当たり前のことをしただけ。かまど、もう逃げたらあかんで」と豪快に笑った。【望月靖祥】

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