九州北部のダム貯水率低下 梅雨入り遅れ市民生活へ影響も

九州北部のダム貯水率低下 梅雨入り遅れ市民生活へ影響も

貯水率が2割を下回った猪野ダム=福岡県久山町で2019年6月12日、石井尚撮影

 九州北部の梅雨入りが遅れ、福岡県や佐賀県などでダムの貯水率が大幅に低下している。5月の少雨や田植えシーズンで農業用水の使用が増えたことが原因とみられ、一部地域では市民生活への影響も出始めた。関係機関は渇水の警戒を強めている。

 福岡管区気象台などによると、5月は高気圧に覆われて晴れの日が多く、福岡市の降水量は42ミリで平年の3割にとどまった。その後も雨は少なく、九州北部の梅雨入りは平年(6月5日)より遅れている。梅雨前線は沖縄付近に停滞し、九州北部はまだ1週間程度は降水量の少ない状態が続く見込みという。

 福岡県の主要ダムの平均貯水率は11日現在で46.9%。過去20年間の同時期(83・3%)と比べて大幅に少ない状況だ。特に油木(あぶらぎ)ダム(添田町)は14・3%、猪野(いの)ダム(久山町)は18・7%と深刻。県水資源対策課によると、昨年7月以降の少雨傾向に加え、5月からの厳しい少雨が追い打ちをかけているという。

 油木ダムの貯水率低下を受け、行橋市は6日、10%の減圧給水を開始。苅田町も13日夜からの10%の減圧給水を決め、節水を呼び掛けているほか、小中学校計8校でプールの授業を見合わせている。

 佐賀市でも5月の降水量は平年の4分の1の49ミリ。市内の嘉瀬川(かせがわ)ダムの貯水率は過去最低の22.6%(12日)まで下がり、13日から上水道や工業用水などで15〜20%の取水制限を始める。長崎県大村市にある萱瀬(かやぜ)ダムは5日から上水道で30%の取水制限を始めている。熊本県農村計画課によると、天草地方の五つのダムのうち、志岐(しき)ダム(苓北(れいほく)町)が5月25日から農業用水を断水している。同課は「貯水率の水位をしばらく注視しなければいけない」と警戒している。【石井尚】

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