大阪・枚方市DV漏えい 住民票以外は誤交付防止措置講じず 国の通知に違反

大阪・枚方市DV漏えい 住民票以外は誤交付防止措置講じず 国の通知に違反

DV被害者の住所漏えいについて謝罪する大阪府枚方市の幹部ら=市役所で2019年6月14日午前11時2分、土田暁彦撮影

 大阪府枚方市が、夫のドメスティックバイオレンス(DV)を恐れて転居した女性の住所を夫に漏らした問題で、住民票以外の書類について、市が誤交付を防ぐ措置を講じていなかったことが判明した。このため、女性の住所を含む所得証明書が漏えいした。総務省は、住民票以外の書類も交付しないよう自治体に再三通知しているが、各部署間で情報共有ができていなかった。

 市は14日、石田智則市民安全部長らが記者会見し、「認識が甘かった」などと謝罪。過去にも、同様の漏えいが1件あったことを明らかにした。

 市によると、夫は5月、市役所で家族分の所得証明書の交付を申請。職員は女性の住所を含む証明書を交付した。その後、夫が住民票の交付を申請した際、住民票を管理する住民基本台帳(住基)システムに女性がDV被害者であることを示す警告が出たため、漏えいが発覚した。

 女性は昨年、転居先の自治体で現住所を加害者側に知らせないよう求める「DV等支援措置」を申請。枚方市にも連絡が届いた。しかし、申請書には交付を止める書類について「住民票」としか記されておらず、市は女性の意向を確認しないまま、住民票の交付申請があった場合のみ、住基システムに警告が出るよう対応した。このため、所得証明書を管理する税務システムには警告が反映されず、職員も気付かずに誤交付した。

 通常、被害者が直接市に支援措置を申請すると、住民票を担当する市民室が、住民情報を扱う12の部署に住所を含む書類を交付しないよう連絡する。だが、今回のように他の自治体から申請が回ってきた場合は、市民室が他の部署に連絡する仕組みになっていなかった。

 総務省は2009年、住民票以外の書類も交付しないよう各自治体に通知。15年には被害者が転居した場合でも自治体間で連携するよう求めていた。【伊藤遥、土田暁彦】

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