九州豪雨、死者62人に 12日まで大雨のおそれ 気象庁、警戒呼びかけ

九州豪雨、死者62人に 12日まで大雨のおそれ 気象庁、警戒呼びかけ

商店などの片付けの途中に雨が降る人吉市の中心市街地=熊本県人吉市で2020年7月9日午後4時15分、津村豊和撮影

 九州を中心に甚大な被害をもたらした梅雨前線は9日も停滞し、九州から東日本の広い範囲で雨が降った。熊本県で新たに4人の死亡が確認されたほか、大分県で遺体で発見された1人の身元が判明し、一連の豪雨による九州の死者は計62人となった。心肺停止は1人、行方不明は16人。気象庁によると、大雨は北海道や沖縄など一部を除く全国で少なくとも12日まで続く可能性がある。降り続く雨で各地の地盤が緩んでいることから、気象庁は「次に大雨が降れば、どこで災害が起きてもおかしくない」と警戒を促している。

 大分県は9日、由布市の大分川付近で発見された遺体が同市湯布院町湯平の渡辺登志美さん(81)と確認されたと発表した。渡辺さんは家族4人で7日夜から8日未明にかけて車で避難しようとし、氾濫した川に流された可能性が高いという。残る3人の行方は依然として分かっていない。

 熊本県は9日、球磨(くま)村で1人、住所不明3人の計4人の死亡が確認されたと発表。熊本県湯前(ゆのまえ)町では3日から8日までに、7月の1カ月の雨量の平年値の約2倍となる1062・5ミリの総雨量を観測した。

 気象庁によると、梅雨前線は9日夜には対馬海峡付近まで北上し、11日にかけて停滞する見込み。前線には暖かく湿った空気が流れ込み、九州全域で大気の状態が不安定になっている。九州南部では10日にかけて、九州北部では11日にかけて局地的に激しい雨が降る見込み。

 10日午後6時までの24時間で予想される雨量は、多いところで▽九州北部300ミリ▽四国200ミリ▽九州南部150ミリ――など。気象庁は15日ごろまで雨が続くと予想するが、「大雨に注意が必要な期間がさらに延びる可能性もある」という。

 気象庁は9日、今回の大雨の名称を「令和2年7月豪雨」と決めた。梅雨前線に伴う豪雨に名称を定めるのは「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)以来。河川の氾濫などが多発し、広い範囲に被害をもたらした「極めて特異な豪雨」と評価したためとしている。【下原知広、黒川晋史、津島史人】

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