五輪・パラ会場に警備5万9900人 無観客で一部縮小 警察庁

五輪・パラ会場に警備5万9900人 無観客で一部縮小 警察庁

東京都内での聖火リレーが始まった駒沢公園で警備にあたる警察官(左手前)。公道走行中止で、リレー警備の態勢も大幅に変更した=東京都世田谷区で2021年7月9日午前8時51分、斎藤文太郎撮影

 警察庁は16日、東京オリンピック・パラリンピックに関し、競技会場がある9都道県で過去最大規模の約5万9900人が警備に当たると発表した。五輪で大半の競技会場が無観客となったために態勢を見直し、直前の計画よりも約3400人減らした。

 警視庁は全国の警察から集まる特別派遣部隊約1万1600人を含め計約3万6500人と最も多い陣容を組む。これは当初より特別派遣部隊を約2700人、警視庁の警察官を約400人減らした態勢となる。茨城県警も約300人減らす。

 関係者によると、最寄り駅から競技会場までの「ラストマイル」の雑踏警備や、観客向けの手荷物検査場などの担当要員が削減される見込みだ。

 一方、国立競技場をはじめとする競技会場43カ所や選手村などは従来の計画と同じ態勢で警戒する。無観客開催となった北海道、福島、埼玉、千葉、神奈川の1道4県警は約1100〜7000人態勢を維持する。ラストマイルなどの担当を減らす代わりに、テロの標的となる恐れのある駅や繁華街といった人が集まる場所などの人員を増やすという。

 大会期間中、警察官の感染防止の徹底も進める。

 手指消毒やマスク着用を求め、食事の際も黙って食べるよう指導する。派遣部隊らは飲酒禁止。派遣部隊の宿舎となるプレハブには隔離棟を設け、陽性者や濃厚接触者が出た場合に備える。【町田徳丈、斎藤文太郎】

直前の計画見直し「現場に戸惑いも」

 「大会の警備態勢を組み直したい」。8日午後、警察庁の担当部局に警視庁から連絡が入った。菅義偉首相が4度目の緊急事態宣言の発令決定を表明する約3時間前のことだった。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、警察当局は東京オリンピックの開催直前になって警備計画の見直しを余儀なくされた。

 五輪とパラリンピックの警備に従事する警察官は当初の計画より約3400人減った。それに合わせ、警察官の配置場所や担務も一部変更するという。

 「人員削減はある程度予想していた。担務替えもあるだろうが、災害などが発生すればあり得ること。計画変更はそれほど難しいことではない」と警察庁幹部は強調する。

 ただ、現場の受け止め方は少し異なるようだ。

 「士気が下がってはいないが、戸惑いはある」。他県から特別派遣部隊として駆けつけた県警幹部は明かした。上京後、この県警の部隊は担当する競技会場周辺でテロの標的となるリスクのある場所の確認を続けてきた。「土地勘がないところでの仕事は簡単ではない。いきなり配置換えになったらじっくりと確認作業をする時間があるだろうか」と不安を吐露する。

 もともとコロナ禍で宿舎での飲酒は禁じられ、非番の日でも行動記録の提出を求められている。毎日検温し、食事も「黙食」が続く。「息抜きする時間もないが、元気を出して頑張るしかない」。幹部は自分に言い聞かせるように話した。

 一方、一部の部隊は、大会を目前にして東京への派遣が取りやめになった。警視庁幹部は「これまで準備をしてきて、本番の大会に関わりたいという思いはあったはず。残念と感じていると思う」と気遣った。【斎藤文太郎、町田徳丈】

選手の移動優先 都内は大規模な交通規制

 東京オリンピック・パラリンピックに向け、19日から東京都内の首都高速道路を中心に大規模な交通規制が始まる。大会期間中は都心部の交通量が多い時期にあたり、渋滞で選手が競技に間に合わないなどのトラブルが発生しないように交通量を調整する。

 高速道の規制は、料金所で開けるレーンの数を減らしたり、一定の交通量を上回った際は入り口を閉鎖したりする。規制対象の料金所やインターチェンジなどは100を超える予定。一般道では、東京都と千葉県の一部で選手ら大会関係者が乗る車両向けの専用レーンと優先レーンを設けるなどする。警察庁は「期間中は経路や運転時間の変更などをして協力してほしい」としている。【町田徳丈】

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