ロッキン、開催決定まで相談なく 医師会「時間かけたかった」中止巡り

ロッキン、開催決定まで相談なく 医師会「時間かけたかった」中止巡り

中止が発表された「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル 2021」の公式サイト

 8月に予定されていた国内最大級の野外音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」が茨城県医師会の要請で中止となったことを巡り、主催事務局が開催決定前に、県内の医療機関などに相談していなかったことが分かった。事務局は「(開催可否に関する情報は)守秘性が高い」とし、決定後に地元病院に説明し理解を得ていたとする一方で、同会の鈴木邦彦会長は「コロナ禍では医師会との緊密な連携が必要だった」と指摘する。【韮澤琴音】

 ロッキンは8月に計5日の日程で、ひたちなか市の国営ひたち海浜公園での開催を予定していた。事務局は6月1日に開催決定を公表。7月2日に県医師会が新型コロナウイルス感染対策の強化などを求める要請書を提出すると、同7日に「要請に十全に応えることができない」として中止を発表した。

 事務局や県によると今年1月以降、国や県が定める新型コロナの感染拡大予防ガイドラインに基づき、公園を所管する県土木部や、ひたちなか市観光振興課と開催について事前に相談を重ねてきた。

 一方で事務局は、開催可否に関する情報は「非常にデリケートで守秘性の高いもの」として、地元病院などへの報告は公表後に行った。熱中症患者への対応は原則会場内で行うと説明し、必要が生じた際は市内の3医療機関に受診・搬送を受け入れてもらうよう要望し、了承を得ていたとしている。

 調整を巡っては、県側にも混乱が見られた。ガイドライン上、事前相談の窓口は土木部。主催事務局は、新型コロナを直接担当する保健福祉部についても、「県庁内で情報共有されるものと考えていた」という。

 しかし、6月11日と7月1日に実施された県ひたちなか保健所などとの協議で、保健所側から「できれば中止か延期していただきたい」との意見が2度にわたって出されていたという。事務局は「県の後援をいただいているにもかかわらず、どう受け止めればいいのか困惑した」と説明。県感染症対策課の担当者は「庁内の連携が不足していた」と話した。

 鈴木会長は14日の記者会見で、中止について「英断いただき深く感謝したい」とコメント。判断の過程については「医療関係者ともっと時間をかけて相談してほしかった。(感染対策と開催が)両立できる道はなかったのかという思いはある」と話した。

 県医師会には「なぜこの時期に中止を要請したのか」といった抗議が多数寄せられている。同会は開催を6月18日に把握、県内の医師らの意見を聞くなどで、時間を要したと説明している。

関連記事(外部サイト)