入管で女性死亡、遺族が長官らと面会 ビデオ非開示の姿勢崩さず

入管で女性死亡、遺族が長官らと面会 ビデオ非開示の姿勢崩さず

 出入国在留管理庁を訪問後に会見するウィシュマさんの遺族ら=2021年7月16日午後5時54分、和田浩明撮影

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族らが16日、東京・霞が関の出入国在留管理庁を訪れ、ヒアリングを受けた後に佐々木聖子長官らと面会した。入管はウィシュマさんの収容中の監視カメラ映像について非開示の姿勢を崩さず、亡くなった経緯に関する最終報告書の詳細についても「全力で取り組んでおり、早く公表したい」との説明にとどめた。

 ヒアリングと面会に参加したのはウィシュマさんの妹で次女のワユミさん(28)、三女のポールニマさん(27)と遺族代理人の指宿昭一弁護士ら。

 指宿氏らによると、ヒアリングには1時間ほどかかった。入管は、ウィシュマさんが2017年6月に来日してからの動向について、家族が連絡を取って知っていたか確認したという。ワユミさんらは「私たちは亡くなるまでの経緯が知りたいのに、関係のないことばかり聞かれた」と語った。

 佐々木長官との面会で、遺族らの質問に答えたのは主に佐藤淳審議官だった。遺族はウィシュマさんが死亡するまで収容されていた単独室の監視カメラ映像を開示するよう求めているが、佐藤氏は「保安上の観点や今後の調査に影響が生じる可能性がある」と改めて拒否。解剖の所見についても「捜査機関のものなので入管から開示できない」と回答した。最終報告書に関しては「全力で準備しているが、いつになるか回答できない。公表したら速やかに遺族に伝えたい」と語ったという。

 ウィシュマさんは20年8月にビザのオーバーステイで名古屋入管に収容された際に「恋人に家を追い出された」と説明。支援者には、同居していたスリランカ人の男性からのドメスティックバイオレンス(DV)を訴えていた。遺品の中には、この男性が「あなたを捜して罰を与える」と記した手紙が見つかっている。DVについての遺族の質問に、入管側は「最終報告書で対応する」と答えた。

 ワユミさんらによると、この男性はウィシュマさんと家族が話している際に暴言を吐いて接触を妨害。20年11月ごろには、ウィシュマさんの母親に「警察とトラブルになった」と主張して金銭の支払いを求めてくることも2回あったという。

 ウィシュマさんは17年6月に来日し、千葉県の日本語学校に通ったが、次第に休むようになり、学校が18年6月に受け入れを終了した。指宿弁護士によると、入学時に1年3カ月分の学費は支払っており、学校に行かなくなった理由は分かっていない。【和田浩明/デジタル報道センター】

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