臓器移植、夏休みに学びませんか 移植ネットが研究シート公開へ

臓器移植、夏休みに学びませんか 移植ネットが研究シート公開へ

日本臓器移植ネットワークの子ども向けスマホサイト

 日本臓器移植ネットワーク(JOT)は26日、子ども向けサイト(https://www.jotnw.or.jp/kids/)で臓器移植の「調べ学習」に役立つ研究シートを公開する。新聞形式などの枠組みがあり、空欄を埋めるだけで完成するなど使い勝手も重視した。ダウンロードして夏休みの自由研究や総合的な学習でも活用できそう。【倉岡一樹/東京地方部】

新聞形式と自由形式あり

 研究シートは新聞形式(縦書き)と自由形式(横書き)の2種類。新聞形式のシートでは、臓器の働きや臓器提供の流れといった基本事項から、臓器提供の意思を示す五つの方法、脳死と意識の戻らない状態との違い、日本における臓器移植の現状など重要なポイントごとにまとめて空欄を埋めていく形式だ。クイズを解くような感覚で臓器移植を網羅的に学べるため、知識がなくても取り組みやすい。

 一方、自由形式のシートは研究テーマや理解したことなどを思いのままに書けるので、ある程度学んで目的意識を持って調べた子ども向けといえる。いずれも家族や友人と話した結果や自分の思いを書く欄もあり、対話や思索へと導く工夫を凝らしている。

 JOT広報・啓発事業部の栗原未紀さんは「臓器移植をゼロから調べてまとめるのはなかなか難しい。子どもや先生に『やってみよう』と興味関心を持ってもらえるようにしました」と話す。その背景には、日本で臓器移植が進まない現状がある。

 JOTに登録した移植希望者は1万4971人(6月30日現在)。一方の臓器提供数は例年100件前後で推移し、新型コロナの感染拡大の影響で昨年は77件(脳死下68件、心停止下9件)にとどまった。人口100万人当たりの臓器提供数もスペイン49人、米国36・88人などに対し日本は0・99人と国際的に見ても少ない。臓器提供の意思表示の記入状況も内閣府の世論調査で12%台と低調だ。

 そこでJOTが注目しているのが将来を担う子どもたちだ。臓器移植への理解促進を図るために子どもらへの教育を重要視し、研究シート作成もその一環として企画された。

 2018年に小学校、19年に中学校で教科化された道徳で臓器移植が取り上げられるケースが増え、徐々に関係者の努力も実りつつある。栗原さんは「命をつなぐことができる臓器移植の重要性を一人でも多くの人に知ってもらいたい。生きるために移植を待つ人のために力を尽くしたい」と話す。問い合わせはJOT03・5446・8802。

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