震災後初「やっと本当の夏」 宮城・気仙沼 海水浴場オープン

震災後初「やっと本当の夏」 宮城・気仙沼 海水浴場オープン

震災後初めてオープンした大谷海水浴場で砂遊びを楽しむ高橋佑斗ちゃんと父親の孝司さん(左)=気仙沼市本吉町で2021年7月17日午後0時18分、神内亜実撮影

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市本吉町の大谷海水浴場が17日、震災後初めてオープンした。防潮堤の建設と砂の入れ替え工事がほぼ完了し、11年ぶりに遊泳客の笑顔が浜に戻った。

 午前9時過ぎに「一番乗り」したという仙台市の会社員、高橋理恵さん(46)は「コロナ禍で室内にこもってばかりの子供に夏を満喫させたい」と家族3人で訪れた。震災後、気仙沼を訪れるのは初めて。JR大谷海岸駅の駅舎や松林などが津波に襲われて姿を消すなど変貌した景色に驚きつつ、「青く透き通ったこの海はやっぱりきれい」と目を細めた。砂遊びが大好きな長男、佑斗ちゃん(5)は三角形に砂を盛って穴を開けた「トンネル山」に海藻を乗せてにっこり。高橋さんは「2年前は波を怖がった息子も自分から海に入って成長を感じる。いつか震災についても教えたい」と語った。

 「これが本当の夏だよ」。震災前まで40年近く海の家を営んできた芳賀勝寿(かつとし)さん(73)は津波で流されなかった資材で海の家を復活させ、厨房(ちゅうぼう)から焼きそばやイカ焼きを並べた。

 17日には、15年前に知り合った常連客が訪れ、「昔と同じだね、この建物」と懐かしそうに眺めていったという。「10年以上かかってやっとこぎつけた。みんなが喜ぶ顔を見られたのが何よりうれしいよ」【神内亜実】

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