コロナ禍における「子どもの権利」描いた絵本 寄贈へ制作費募る

コロナ禍における「子どもの権利」描いた絵本 寄贈へ制作費募る

クラウドファンディングのサイトで紹介している絵本「きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」の挿絵=長瀬正子准教授提供

 新型コロナウイルス禍の長引く外出自粛で児童・生徒らの健康などが懸念される中、守られるべき子どもの権利をわかりやすく紹介した絵本「きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる?」が8月下旬に出版される。出版元の「ひだまり舎」がクラウドファンディング(CF)で制作費などを募っている。絵本を手がけた佛教大の長瀬正子准教授(社会福祉学)は「一人でも多くの子どもに絵本を届けられたら」と話す。

 2020年3月からの全国一斉休校の影響で、子どもの学びの確保や児童虐待の問題が指摘されるようになった。子どもの権利や支援策を研究してきた長瀬さんは「政治や教育がコロナの感染症対策だけに重点を置き、子どもの気持ちを置き去りにしていないか」と疑問に感じたという。

 20年4月に国連の「子どもの権利委員会」が子どもの学びや食事、健康などコロナ禍で損なわれがちになる権利を尊重するよう呼びかける声明を発表。これがきっかけで、長瀬さんは知人と協力し、イラスト入りで声明の内容を伝える絵本「子どもの権利と新型コロナ」を同9月に自費出版した。口コミやメディアで評判が広がり、約3000部を販売した。

 ひだまり舎から出される新版の絵本は、「子どもの権利と新型コロナ」を大幅に変更。10歳前後の子どもが1人でも読めるよう、抽象的な表現を避け、読者への問いかけを織り交ぜて子どもの権利のイメージをより膨らませやすいようにした。プロの編集者の助言も受け、「権利とは何か」との疑問にも答えたという。

 新版はハードカバーでB5横判32ページ、税込1980円。出版後は販売だけでなく、学童保育やこども食堂など児童・生徒の居場所づくりに取り組む団体や公立図書館、学校にも寄贈したい考え。25日までにCFで集まった金額によって、寄贈先の数も変わるという。

 長瀬さんは「コロナ禍などでしんどい思いをしている子どもたちに絵本を届け、『自分の気持ちを大事にしていいんだよ』と伝えたい」と話している。詳しくはCFサイト「グッドモーニング」(https://camp-fire.jp/goodmorning)で。【石川将来】

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