渡辺王将、寄せきり2勝2敗に 名人戦第4局

渡辺王将、寄せきり2勝2敗に 名人戦第4局

第78期名人戦七番勝負第4局で豊島将之名人(右)に勝利し、感想戦で対局を振り返る渡辺明王将=東京都文京区のホテル椿山荘東京で2020年7月28日午後7時半、北山夏帆撮影

 東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われた第78期名人戦七番勝負第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、藤田観光協力)は28日午後6時58分、挑戦者の渡辺明王将(36)が豊島将之名人(30)に101手で勝ち、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。残り時間は渡辺1時間54分、豊島1分。第5局は8月7、8の両日、東京都渋谷区の将棋会館で行われる。

 双方の読みがぶつかり合って白熱の終盤戦に突入したが、わずかに渡辺の読みが上回った。

 相矢倉「脇システム」から激戦になり、2日目の午後になって、豊島は58分の長考で7七銀(82手目)と打ち込んで勝負に出た。

 渡辺も38分の長考で同金と応じたが、8六歩(86手目)で先手陣は受けが難しい形になった。ここで3三金と王手をかけたのが豊島を迷わせた。本譜は豊島が5三玉と逃げたが、控室の検討では、5二玉ならまだ難しい終盤戦が続いていた。

 豊島は夕方の休憩前に秒読みに突入したが、時間をたっぷり残す渡辺は30分の休憩時間も使って慎重に考えて勝ち切った。

 解説の佐々木慎七段は「複雑な攻防が繰り広げられ、豊島名人にもチャンスはあったと思いますが、それも非常に難しい選択で選べないのも仕方がなかったと思います。渡辺王将にとって快勝ではありませんでしたが、時間の使い方を含めた総合力で勝利しました」と語った。

 16日に藤井聡太棋聖(18)にタイトルを奪われて王将・棋王の2冠に後退した渡辺だが、貴重な勝ち星を挙げて、名人戦七番勝負は第5局以降、仕切り直しとなった。【山村英樹】

 渡辺王将の話 微妙な読み抜けが結構あった一局だった。タイに戻すことができたので、後半戦も全力でいきたい。

 豊島名人の話 2日目も考えたら自信がなくなることが多く、5三玉(88手目)で5二玉は負けだと思った。第5局以降はまた気持ちを切り替えて臨みたい。

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