下田歌子:生前の着物を実践女子大に寄贈

下田歌子:生前の着物を実践女子大に寄贈

実践女子大に寄贈された着物。創設者の下田歌子が生前に着用していた=静岡県磐田市で2017年8月12日、竹田直人撮影

 実践女子大(東京都渋谷区)の創立者で、女子教育の先覚者とされる歌人、下田歌子(1854〜1936年)が生前、着用していた着物が12日、同大の下田歌子研究所に寄贈された。所蔵していたのは、少女時代に下田の自宅で働き、今年2月に100歳で亡くなった静岡県磐田市の久志目(くしめ)れんさん。形見としてもらったものだという。【竹田直人】

 下田は岐阜県恵那市に生まれ。1872(明治5)年から明治天皇の皇后に仕え、和歌の才能から「歌子」の名を賜った。女子教育の視察のため、欧米に単身で渡り見聞を深めた後、99年に実践女学校を創設した。

 久志目さんは、高等女学校在学中の1932年ごろから勤めに出た。下田が亡くなる36年まで下田の自宅で働き、黒い着物2着を形見としてもらっていた。

 下田の死後、故郷の磐田市に戻り、1男6女をもうける。子や孫に下田の教えや東京時代の出来事などをよく話していたという。久志目さんが晩年、使っていた手帳には「先生にもう一度おあいしたいです。呼びに来てください」と下田を慕う気持ちがつづられていた。

 着物を受け取った研究所の湯浅茂雄教授は「下田先生の遺品は太平洋戦争中の空襲で多くが消失しており、頂いた着物は貴重なもの。学生教育にも生かしたい」と言う。久志目さんの長女、大畑とも子さん(76)も「着物が下田先生の元に贈られて、母も喜んでいると思います」と話していた。

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