横浜市長、IR誘致を表明 関東圏初 ギャンブル依存など懸念の声も

 横浜市の林文子市長は22日、横浜港山下ふ頭(横浜市中区、約47ヘクタール)にカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する意向を記者会見で表明した。大阪府・市、和歌山県、長崎県に続く表明で、関東圏では初となる。一方、市民の間にはギャンブル依存症への懸念や街のイメージの問題などから根強い反対意見もある。ふ頭に関わる業者団体も反対姿勢を鮮明にしており、難航しそうだ。

 林氏は、IR整備区域選定基準などを定める国の基本方針が近く公表されることや他自治体の動向を踏まえ、「(誘致表明は)この時期だと判断した」と述べた。また「横浜の将来に強い危機感がある」という表現を繰り返し、将来的に人口減少に転じて税収が減少する市の財政を支えるには、誘致による収入が不可欠と強調した。

 林氏はIRが開業した場合の経済波及効果を年6300億〜1兆円、市の増収を820億〜1200億円と試算。ギャンブル依存症対策も講じるとした上で「発展を続けるためにはIRを実現する必要がある」と述べた。今後、市内各区で市民説明会を開いて林氏が説明する方針で、IR事業者を決定し、2020年代後半の開業を目指すという。

 一方、誘致に反対する市民ら数十人が22日午後、誘致反対の署名を手に横浜市役所の市長室前に詰めかけ、林氏に面会を求める一幕があった。市の担当者が「担当部署で対応する」と応じると、市民らは激しく抗議。一時騒然となった。

 市が昨年実施したパブリックコメントでは、IRに関する市民意見433件のうち9割以上が誘致に否定的だった。また、業者団体「横浜港運協会」は、誘致するならば会員企業がふ頭を立ち退くことはないとして、断固反対の姿勢を強調している。IR実施法は開設区域を国内最大3カ所としている。【田中義宏、樋口淳也】

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