O157は牛が由来 腸内で毒素蓄積 九大などゲノム解析

 人に感染すると下痢や大腸炎を引き起こすO157などの腸管出血性大腸菌が牛に常在する大腸菌に由来し、牛の腸内で毒素を蓄積して変化することを九州大や米欧の共同研究班がゲノム(全遺伝情報)解析で突き止めた。腸管出血性大腸菌の感染予防につながる研究成果として注目される。

 腸管出血性大腸菌は牛が保菌し、解体した腸や、便から感染が広がることが知られている。九大大学院医学研究院の小椋義俊准教授(ゲノム生物学)らの研究班は、人の大腸菌と、牛の腸内にいる毒素のない大腸菌、腸管出血性大腸菌の計1134株について大規模な比較ゲノム解析をした。

 その結果、人と牛の大腸菌は系統的に異なることを確認。牛の大腸菌が腸内での生存率を高めるため人にとって毒素となる因子を蓄え、O157やO26などに変化することが分かった。毒素は牛の病気は引き起こさず、大腸菌が腸内の微生物に捕食されるのを避けるために蓄積している可能性がある。

 研究班は今後、変化を促す原因を特定することで腸管出血性大腸菌の発生を抑え、感染を防ぐことが可能だとしている。

 解析は米、仏、ベルギーの研究者との共同で、成果は23日、米科学誌ゲノム・リサーチ電子版に掲載される。【馬原浩】

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