京都ヘイト名誉毀損 在特会元幹部の控訴棄却 大阪高裁、1審罰金50万円を支持

京都ヘイト名誉毀損 在特会元幹部の控訴棄却 大阪高裁、1審罰金50万円を支持

大阪高裁=大阪市北区で、曽根田和久撮影

 ヘイトスピーチで朝鮮学校の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)罪に問われた「在日特権を許さない市民の会」元京都支部長の西村斉(ひとし)被告(51)の控訴審判決で、大阪高裁(長井秀典裁判長)は14日、同罪の成立を認めて罰金50万円とした1審・京都地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 ヘイトスピーチが同罪に問われた初めての事件で、被告側は「拉致事件に関する啓発活動の一環で、公益目的があった」などと無罪を主張していた。

 起訴状によると、西村被告は2017年4月、京都市南区の京都朝鮮第一初級学校跡地近くの公園で、「この朝鮮学校は日本人を拉致しています」「この公園の横に、拉致した実行犯のいる朝鮮学校がありました」などと拡声器で繰り返し発言。その様子を動画サイトでも配信し、同校を運営していた学校法人・京都朝鮮学園(同市右京区)の名誉を傷つけたとされる。

 名誉毀損罪は、公共の利害に関する事柄▽公益目的がある▽内容が真実だと証明された――の三つを満たす場合は、特例的に罰せられない。検察側は「朝鮮学校の関係者を犯罪者と印象付けるための発言で、公益目的はない」として懲役1年6月を求刑した。

 1審判決(19年11月)は、発言内容は真実ではなく、学園の評価を低下させたとして名誉毀損罪が成立すると判断した。ただ、拉致事件に関して問題提起する公益目的があったと認定し、罰金刑にとどめた。検察側は「主張がおおむね認められた」として控訴せず、被告側のみが控訴した。

 一方、刑事告訴した学園は、1審判決が公益目的を認めたことについて、「ヘイトスピーチを助長する恐れがある」と批判していた。【藤河匠】

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