汚染処理水「海洋放出での風評被害発生は必至」 全漁連が経産相に要望

汚染処理水「海洋放出での風評被害発生は必至」 全漁連が経産相に要望

汚染処理水の海洋放出に反対し、慎重な判断を求める要請書を梶山弘志経済産業相(右)に手渡す岸宏全国漁業協同組合連合会会長=東京都千代田区の経産省で2020年10月15日午後2時7分、荒木涼子撮影

 東京電力福島第1原発のタンクにたまり続ける汚染処理水の処分を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長らは15日、東京都内で加藤勝信官房長官や梶山弘志経済産業相ら3閣僚と個別に面会した。梶山氏には慎重な判断を求めたのに対し、梶山氏は「政府として責任を持ち、早期に方針を決定する」と応じた。

 面会には、福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長も同席した。岸会長らは梶山氏に「海洋放出での風評被害の発生は必至だ。漁業者の挫折感を含め、将来の展望を壊しかねない」と訴えた。梶山氏は「汚染水対策の着実な実施は、復興の大前提だ。(処分方法の)決定を問わず徹底的な対応が不可欠で、ご要望も真摯(しんし)に受け止め検討を深めたい」と返答した。

 岸会長らは小泉進次郎・環境相にも面会。小泉氏は「思いをしっかり受け止めた上での(政府の)決定でなくてはならない。決定の暁には(環境省として)できることを全力でやる」と述べた。

 3閣僚との面会後、岸会長は記者団に「10年間、福島の漁業者は毎日血のにじむ努力をしてこられた。だが、海外では輸入規制も残り、風評被害そのものが払拭(ふっしょく)されていない。(海洋放出は)努力を水泡に帰するもので、絶対反対と申し上げた」と話した。県漁連の野崎会長は「ようやく来年から本格操業ができる。つまずきのないよう政策を進めてほしい」と語った。【荒木涼子、川口峻】

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