江戸時代の科学技術者、国友一貫斎製作の反射望遠鏡部品など104点発見 滋賀

江戸時代の科学技術者、国友一貫斎製作の反射望遠鏡部品など104点発見 滋賀

半製品のレンズと素材のガラス=滋賀県長浜市提供

 滋賀県長浜市は16日、日本で初めて飛行機の設計図や反射望遠鏡を製作したことなどで知られる江戸時代の科学技術者、国友一貫斎(1778〜1840年)の生家(同市国友町)の土蔵から反射望遠鏡の部品や材料などの加工途中品や製作道具計104点が見つかったと発表した。一貫斎が製作した反射望遠鏡は4台現存しているが、加工途中品や製作道具が確認されたのは初めて。

 加工途中品は製造工程の途中にある未完成の部品などを指す。一貫斎にまつわる資料は市指定文化財の古文書684点に加え、市が2019年度から進めていた生家に残る古文書調査で新たに197点を確認。部品などは20年6月から9月まで実施された調査で発見された。

 見つかったのは、接眼部(人の目が当たる部分)の関連品やレンズの半製品、赤色フィルターの素材となったゾンガラス(色付きガラス)、望遠鏡内部に取り付ける主鏡などの加工途中品。レンズやフィルターの研磨に使用された砥石(といし)やねじ回しなどの製作道具も残されていた。砥石の一つには、ゾンガラスを磨いた日付や「極妙」の文字が墨書されていた。「極妙」は一貫斎がフィルターの出来栄えの素晴らしさを表現したものだという。

 市の太田浩司・学芸専門監は「江戸時代の科学技術史上、加工途中品や製作道具が残っていることはまれで、貴重な発見だ。一貫斎が試行錯誤を重ね、反射望遠鏡を完成させたことが分かる」と話している。【若本和夫】

国友一貫斎

 鉄砲鍛冶の里だった旧坂田郡国友村(現在の滋賀県長浜市国友町)に生まれ、鉄砲鍛冶として活躍する傍ら、国内最古の飛行機の設計図「阿鼻機流 大鳥秘術(あびきる おおとりひじゅつ)」やランプのような形の照明器具「玉燈(ぎょくとう)」、空気銃「気砲」、「懐中筆」を独自に製作するなど数々の業績を上げた。中でも自ら製作した「反射望遠鏡」を使った太陽の黒点の連続観測は、天文学史上でも画期的な成果とされている。

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