広島朝鮮学校の高校無償化訴訟 控訴審で敗訴の学校側、上告の方針

広島朝鮮学校の高校無償化訴訟 控訴審で敗訴の学校側、上告の方針

朝鮮学校の無償化を巡る訴訟で敗訴し、抗議する学校関係者ら=広島市中区の広島高裁前で2020年10月16日午後3時14分、中島昭浩撮影

 広島朝鮮初中高級学校の高級部(広島市)を高校無償化の対象から外したのは違法として、運営する学校法人「広島朝鮮学園」と元生徒109人が処分の取り消しと、在学中の受給額などに相当する計約6000万円の損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が16日、広島高裁であった。三木昌之裁判長は国の処分を合法とした2017年の1審・広島地裁判決を支持し、学校側の控訴を棄却した。学校側は上告する方針。

 学校に就学支援金が支給される高校無償化を巡っては、10年4月に当時の民主党政権が導入。しかし、北朝鮮による韓国砲撃の影響もあり、政権交代後に北朝鮮や朝鮮総連との関係が問題視され、13年2月に朝鮮学校は対象外となった。

 三木裁判長は判決で、公安調査庁の資料や国会答弁などから、朝鮮総連が朝鮮学校の教育内容や財政などに影響を与えていると考えるのは「不合理とはいえない」と指摘。無償化の資金が授業料に充てられず、学校運営が法令に従って適正に行われるかどうか疑問が払拭(ふっしょく)できないとした。その上で、無償化の対象外としたことについて「一定の裁量を逸脱し、それを乱用したとは認められない」と述べた。

 足立修一弁護団長は判決後の記者会見で「極めて残念な判決だ。最高裁でこの判決をただしてもらいたい」と話した。

 全国5地裁・支部に提起された同種訴訟は、17年7月の大阪地裁判決で唯一の違法判断が示されたが、18年9月の大阪高裁判決で覆り、学校側が逆転敗訴した。東京、大阪、名古屋の訴訟は最高裁が上告を退けて敗訴が確定。残る高裁判決は福岡訴訟だけとなった。【手呂内朱梨、賀有勇】

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