被災地で気づいたボランティアの注意点 軍手よりも厚手のゴム手袋を

被災地で気づいたボランティアの注意点 軍手よりも厚手のゴム手袋を

マスクやゴム手袋をつけて泥かきをする記者=長野市穂保で2019年10月16日

 台風19号が東日本を通過して広域な被害が判明してから初の週末を迎える。長野県内の9市町が浸水した家屋などで復旧に向けたボランティアを募集しており、長野市は県外からも募集中だ。だが、被災地での作業には危険も伴う。泥が深く積もる同市穂保の住宅で2日間にわたって泥かきを手伝った記者が、けがや感染症のリスクを減らすために気付いたことをまとめた。【原奈摘】

準備

 既にボランティアを受け入れていた同県飯山市の募集要項を参考に、スコップ、軍手、マスク、ゴーグル、帽子、昼食と飲み物を用意した。長袖長ズボンのジャージーに、長靴をはいた。

住宅に移動

 車を離れ、荷物を持って住宅へ。泥に覆われた道を、なるべく足跡がついていて下が見える部分を選んで歩いた。足跡の少ない小道に入ると、泥がどんどん深くなった。引き返すか迷ったが、目的の家はすぐそこ。駐車してある車をよけようと端に寄った時、地面を踏み抜く感覚があった。「まずい」と思う間もなく右足が側溝に落ち、膝の下の高さまで埋まってしまった。通りかかった人の手を借りどうにか抜け出した。

作業

 泥がつくのを防ぐために大きなゴミ袋にリュックを入れて脇に置き、住民の80代男性から説明を受けて作業を始めた。ここは男性の実家で、今は誰も住んでいないが、東京に自宅がある男性が月に数回泊まりに来ているという。2階建ての1階は畳が浮き、家具が倒れていた。いったん家具を出すスペースをつくるために庭の奥へ泥を寄せたり、車を通すための私道をあけるため、畑に泥を積んだりした。抱える不安を吐き出したい人もいる。停電が続き不便な食事やトイレなど生活に関する話をしながら手を動かす。「罹災(りさい)証明に必要になる家の写真は撮りましたか」と確認の声かけも忘れなかった。

片付け

 泥まみれのスコップや長靴はぞうきんやウエットティッシュで拭い、ポリ袋やバケツに入れた。長野市内では下水処理施設が機能を停止し、水は気軽に使えないが、感染症予防のため、手はしっかり洗った。

振り返って

 痛感したのは、泥の深さが分からない場所や、水が引いていない道路は通るべきではないということ。泥が乾いてくると砂ぼこりが舞いやすくなるので、マスクやゴーグルの必要性は増すだろう。泥や水に触れるため、軍手よりも厚手のゴム手袋の方が適していると感じた。持ち物に書いていなくても、ビニール袋や小さなウエットティッシュはかさばらず何にでも使えるのでおすすめしたい。

    ◆

 男性宅では親類ら数人が一緒に作業し、翌日には庭の泥は片付いたように見えたが、家の中はこれからだった。男性は「元に戻すには相当時間がかかる」とつぶやいた。

 ボランティアは各地で受け入れ条件などが異なる。社会福祉協議会のホームページなどをあらかじめ確認した上で気をつけて参加してほしい。

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