台風21号で「ぼっち」浸水 千葉・八街の農家「どのくらい無事か…」

台風21号で「ぼっち」浸水 千葉・八街の農家「どのくらい無事か…」

浸水被害にあった落花生畑。ブルーシートがかぶせられているのが「ぼっち」=千葉県八街市八街で、2019年10月25日午後3時半ごろ(関よし子さん提供)

 台風21号の影響による記録的な大雨で、出荷間近だった千葉県特産の落花生に被害が出ている。落花生を乾燥させるために積み上げた「ぼっち」が水浸しになり、農家はぼっちを解体して落花生を乾燥させる作業に追われている。台風による度重なる農業被害に、農家からは「これだけ災害が続くと厳しい」と悲鳴が上がる。10月30日、八街市八街の関秀博さん(55)の畑では、妻よし子さん(56)と両親の合わせて4人で、ぼっちを解体して乾かしていた。【加古ななみ】

 関さんの落花生畑約60アールは同25日の大雨で胸くらいの高さまで浸水し、ぼっちが浮き上がって流された。関さん夫妻は降りしきる雨の中、道路にまでぼっちが流れていかないように20〜30本の鉄パイプを畑の隅に打ち込んでいった。

 26、27日には消防のポンプ車が来て排水作業をしてもらった。だが落花生のほとんどは水につかり、高い場所にあったぼっち数個の上半分ほどは水につからなかったものの、ほかはすべて水没。水が引いた28日には、日が当たるようにぼっちを解体し、畑に平らに広げ、乾燥させる作業に入った。だが、29日の雨で再び落花生がびしょぬれになった。例年は12月までぼっちを積んだままにしておくが、今年は乾燥させたらぼっちにはせず、すぐに出荷するつもりだ。よし子さんは「ほとんどダメになってしまったかもしれないが、乾かしてみないと、どのくらいの落花生が無事かわからない」と話す。通常は、ぼっちを乾燥させることで風味が増していく。少しくらいの雨なら問題ないが、今回の大雨では落花生が腐ってしまった可能性もあるという。

 関さんの畑ではニンジンも浸水被害を受けた。9月の台風15号では芽が出始めた白菜の小さな苗が半分以上飛ばされている。自宅の屋根も吹き飛ばされ、いまだに修理ができていない。よし子さんは「これからコツコツやり直さなければ」、秀博さんは「下を向いていても仕方がないので」と話し、肌寒くなった夕暮れになっても解体と乾燥の作業を黙々と続けた。

 落花生の製造・加工・販売店の寺嶋商店(同市吉倉)は例年なら選別作業に追われる時期だが、今年はまだほとんどその作業に入っていない。同商店の寺嶋秀治さんは「天候次第だからどうにもならないが、9月の停電で農作業が滞り、遅れていたところにこの大雨は大変。例年に比べて出荷量もかなり少なくなりそうだ」と推測。県落花生協会は「被害にあった農家もあるが、無事に生育を終えて出荷される落花生もあるので、ぜひ食べて応援してもらいたい」と呼び掛けている。

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