伊豆半島の防災拠点が台風で冠水、通信不能に 見直し求める声

 伊豆半島の災害復旧拠点としての役割を担い、国や静岡県函南町が整備した伊豆ゲートウェイ函南(同町塚本)が、10月の台風19号の豪雨で冠水した。自衛隊やボランティアの拠点となることが想定されていた広場が水につかり、建物も約50センチ床上浸水。インターネットや電話が不通となった。関係者からは「防災拠点としての施設の機能や設備を見直す必要がある」との声が出ている。【垂水友里香】

 伊豆ゲートウェイ函南は国道136号沿いの「道の駅」(約1万3300平方メートル)と、狩野川の堤防上にヘリポートを備えた「川の駅」(約8700平方メートル)で構成され、道の駅が2017年5月、川の駅は今年4月にオープンした。国土交通省が川の駅に基盤整備費13億4000万円、町が国などからの補助金を含め両施設に計約15億円を投じている。

 道の駅は普段はカフェやコンビニエンスストア、土産店などが営業している。川の駅には狩野川の資料館などがある。地震や豪雨で大規模災害が発生した際は、自衛隊やボランティアなどの活動拠点となり、伊豆半島を訪れた観光客の避難場所となることが想定されている。

 10月12日夜に伊豆半島に上陸した台風19号で、狩野川は氾濫しなかったが、道の駅は周囲より低い場所にあり、雨水の排水先がなくなり冠水した。12日は営業していたが、冠水被害が出始めた昼には全店舗で営業を終了。観光客を避難させ、従業員も帰宅した。

 翌13日に被害状況が明らかになり、道の駅の内部は床上約50センチまで浸水した跡があった。電気設備も水につかり、インターネット回線や電話、エレベーターなどが使えなくなっていた。60人以上で施設を清掃、消毒するなどし、営業が再開できたのは16日だった。

 一方、約300人分の毛布や簡易トイレ、テントなどを収納した備蓄倉庫を兼ねた野外ステージと飲み水としても使える40トンの受水槽は、周囲より約1メートルかさ上げして建設されたため浸水を免れた。

 町産業振興課は「けが人を出さず観光客を避難誘導し、災害時に必要な物資が無事だったのは良かった」と施設の対応と機能を一定評価。一方で「これだけの浸水は想定できなかった。設備の配置検討や浸水エリアの対策強化が必要」と話す。

 道の駅の加藤雅経駅長は「道の駅につながる道路が浸水で通行止めになり、一時孤立した。今後のあり方を町と協議していく必要がある」としている。

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