奈良の19市町村公社 保有土地95%が「塩漬け」 借入金は99.5億円に

奈良の19市町村公社 保有土地95%が「塩漬け」 借入金は99.5億円に

奈良県庁=奈良市で2019年2月24日、中津成美撮影

 奈良県内19市町村の土地開発公社が2019年度末時点で保有する土地のうち、利用のめどが立たず、取得後10年以上「塩漬け」状態となっているものが95・3%(面積ベース)に上ることが、県への取材で分かった。金額ベースでは79・0%。利用のめどが全く立たず土地の簿価を時価に換算し直したため、借入金が簿価を上回っている市町村もある。

 県がまとめた資料によると、19年度末時点で土地開発公社を持つ19市町村の公社が保有する土地は計84・8ヘクタール、簿価は計95億3100万円。そのうち、10年以上保有する土地は計80・8ヘクタール、簿価は計75億2900万円に上る。簿価には金融機関からの借入金の利子や管理費なども上乗せされるため、一般的に保有期間が長くなれば膨らむ。

 五條市や宇陀市など10市町村の公社は、保有する土地全てが取得後10年以上が経過した「塩漬け土地」。保有土地の面積が42・0ヘクタールと19市町村の中で最も大きい高取町の公社も、全てが取得後10年以上となっている。

 19市町村の公社が抱える借入金は計99億5300万円に上る。そのうち、金融機関からの借入金で市町村が債務保証しているのは26億6100万円。この債務保証額は、公社が債務不履行となった場合、各市町村が負担しなければならない。その他は市町村から借り入れている。

 橿原市や大淀町、明日香村など5市町村は、公社の借入額が各市町村の標準財政規模(税金など毎年度安定して得られる収入規模)の15%以上を占めている。高取町は全て、明日香村は大半が金融機関からの借入金で、各町村が債務を保証しているため、後年度にわたって町村の財政負担の増加や財政圧迫の要因となる恐れもある。

 また、保有する土地の簿価総額よりも借入金の総額の方が多い公社も複数ある。県によると、事業化するために公社が市町村に代わって先行取得したものの、社会情勢の変化や財政難などで全く利用のめどが立たなくなり、簿価を時価(実情に見合った価格)に換算し直したことなどが理由という。

土地開発公社

 1972年制定の公有地拡大推進法に基づき、土地価格の値上がりなどに備えて地方自治体に代わって公共用地などを先行取得するため、自治体が全額出資して設立した第三セクター。事業計画の頓挫や財政難などで自治体の買い取りが進まず、長期間保有している土地も少なくない。また、社会情勢の変化などで土地価格が下がり、簿価が時価を大幅に上回っている土地も多い。【久保聡】

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