核禁条約来年発効 「第2ステージ始める時」被爆者の朝長さん講演で訴え 福岡

核禁条約来年発効 「第2ステージ始める時」被爆者の朝長さん講演で訴え 福岡

年明けに発効予定の核兵器禁止条約のこれからを語る朝長万左男さん=福岡市博多区、2020年11月21日午後3時9分、青木絵美撮影

 長崎の被爆者で、日赤長崎原爆病院の名誉院長を務める朝長万左男(ともながまさお)さん(77)が21日、福岡市であった市原爆被害者の会博多区支部主催の「文化のつどい」で講演した。被爆75年を経て来年1月に発効予定の核兵器禁止条約の実効性を高めるために「第2ステージの核兵器廃絶運動を始める時だ」と訴えた。

 爆心地から2・5キロの自宅近くで被爆した朝長さんは母親に連れられて逃げ、当時の記憶はない。だが、医師だった父親が取り組んだ白血病患者の研究を引き継ぎ、原爆が人体に与える影響を調査した。「物心ついて以来『なぜ長崎に原爆が落ちたのか』が疑問だった」という。その探究心が原動力になった。今も続ける研究から、患者1人が複数の臓器でがんを発症するケースについて「被爆者のがん患者の5%を占め、決して少なくない」などと解説した。

 被爆75年の今年、核兵器禁止条約の批准国・地域が発効に必要な50に達したが、米露などの核保有国や被爆国の日本は参加していない。朝長さんは原爆投下を「長崎が軍需都市だったとはいえ、労働者やその家族、市民がいる街に予告なく使われ、非人道的であり、犯罪的行為」と断じ、「日本が米国の核の傘に入った状態で毎日生きているというのも非人道的だ」と訴えた。

 その上で条約の実効性を高めるために日本や核保有国を引き込む必要性を指摘。「今の子どもたちが社会を担う30年後に核なき世界が到来していることを願い、シナリオをみんなで考えたい」と語りかけた。【青木絵美】

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