真岡鉄道のSL「C11」12月1日にラストラン

 真岡鉄道の2両の蒸気機関車(SL)のうち、21年間走り続けてきた「C11形」が12月1日、ラストランを迎える。同月上旬から約半年間の定期検査に入り、終了後に東武鉄道に譲渡する方向で協議しているため、今回で同線を走る姿が見納めになるという。同日には「ありがとうC11」と銘打ったイベントも開かれ、大勢の人たちが別れを告げる。

 同鉄道は観光列車として1994年にSLの運行を開始。98年に新潟県水原町(現阿賀野市)からC11形を譲り受け、C12形と2両体制で週末を中心に運行してきた。

 譲渡の背景には、老朽化による高額な維持管理費がある。SLを運行する真岡線SL運行協議会によると、SLの運賃収入は年間3000万円程度だが、燃料費などの経費が約8000万円かかり、老朽化で定期検査の費用もかさんでいる。約2年前に実施した大規模検査では約1億4000万円を要したという。

 このためSLを所有する芳賀地区広域行政事務組合が3月、譲渡先の入札をしたところ、東武鉄道のみが1億2000万円で応じた。東武は日光市内の鬼怒川線を走らせることを検討しているといい、現在は引き渡しの手続きが進んでいる。

 これまで真岡鉄道は2両体制にすることで、1両が検査中でも通年運行できることが強みだった。同協議会の担当者は「今後はSLを運行できない時期もあるが、代わりにディーゼル車を走らせるなど対応を検討したい」と話す。

 真岡鉄道での最終運行となる1日は、ラストランをイメージしたデザインのヘッドマークを装着し、下りは下館駅午前10時35分発、茂木駅午後0時6分着、上りは同駅同2時26分発、下館駅に同3時56分着で運行する。乗客には特別乗車記念証を配布するほか、下りが真岡駅に到着する午前11時3分からホームで記念式典も開く。真岡駅と茂木駅では数量限定でポストカードなどの記念グッズセット(税込み800円)を販売する。

 同協議会は「C11は21年間、地域のシンボルとして全国の皆さんに愛されてきた。当日は多くの皆さんとC11を送り出せたら」と話している。【萩原桂菜】

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