昨年度の日本の温室効果ガス排出量5年連続減 統計開始以来最少に

昨年度の日本の温室効果ガス排出量5年連続減 統計開始以来最少に

環境省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 環境省は29日、2018年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)は二酸化炭素(CO2)換算で12億4400万トンだったと発表した。前年度比3・6%(4700万トン)減で5年連続の減少となり、1990年度の統計開始以来最少だった。

 再生可能エネルギー導入量の拡大や原子力発電所の再稼働により、火力発電に伴うCO2排出量が減少したことなどが主な要因。リーマン・ショックの影響で経済活動が停滞し90年度以降で最少だった09年度(12億5100万トン)をさらに下回った。従来は経済成長に伴い排出が増えていたが、再生エネの拡大などを背景に、国内総生産(GDP)の微増傾向が続く中でも排出量の減少は進んでいるという。

 排出量のうち、火力発電など化石燃料の燃焼に伴うCO2は10億6000万トンで、前年度比4・5%(5000万トン)減だった。分野別では、工場など産業からの排出が3億9600万トン(前年度比3・5%減)。家庭からの排出は、暖冬で暖房用の灯油の消費量が減ったことなどから、同比11・1%減の1億6600万トンとなった。

 一方、温室効果の強い代替フロンの「ハイドロフルオロカーボン」は、4910万トン(CO2換算)で、前年度比9・4%(420万トン)増と、14年連続で増加した。

 来年1月に始まる、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、今世紀後半にCO2など温室効果ガスの実質的な排出量をゼロにすることを目指している。日本は30年度までに13年度比26%削減し、年間排出量を約10億4200万トンにする目標を国連に提出しているが、18年度の排出量は13年度比では11・8%減にとどまる。

 小泉進次郎環境相は29日の閣議後の記者会見で、「5年連続削減は評価すべきだが、30年に26%削減という目標達成は容易ではない。パリ協定が始まるのを踏まえて具体的なアクションにしっかり取り組み、削減の実績を作っていくことが重要だ」と述べた。

 12月2日にスペイン・マドリードで開幕する国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)では、パリ協定スタートに伴う削減強化に向けた機運醸成が期待されている。【大場あい】

関連記事(外部サイト)