日本モンキーセンター 「ほしい物リスト」で「支猿」の輪 自虐的なつぶやきも話題に

日本モンキーセンター 「ほしい物リスト」で「支猿」の輪 自虐的なつぶやきも話題に

「ほしい物リスト」で寄付してもらった「餌マット」で餌を探すワオキツネザル=愛知県犬山市の日本モンキーセンターで(同センター提供)

 世界最大級の霊長類動物園「日本モンキーセンター」(愛知県犬山市)が、インターネット通販大手アマゾンの「ほしい物リスト」を活用し、寄付を募っている。資金難を打開する作戦で、スタッフの「つぶやき」が共感を呼び、ビデオカメラなど300品目、1500点以上の新品が寄せられた。中古品も求め、軽トラックは2台も。クラウドファンディングの支援金で屋根を建てるなど、あの手この手で「支猿」を呼びかけている。

 センターは1956年設立で、世界最多の約60種850頭を飼育する。運営費は入園料や物販などで賄うが、2014年に名鉄系列の隣の遊園地と分離、公益財団法人の運営となり、老朽化した施設改修も加わって資金難に直面している。

 「ほしい物リスト」はインターネット上で公開し、見た人が代わりに買って寄付する。東日本大震災で仙台市などが活用し、7000カ所以上の避難所や個人宅などに10万個以上の物資が届けられるなど災害で生かされている。昨年12月に福岡県の大牟田市動物園が導入したのを知り、同センターも4月から使い始めた。

 リストには200円台の両面テープからバケツ、ヒマワリの種などの餌、プリンターのトナーなど必要なさまざまな品を随時更新。「今は安めのものをあげているので、美味(おい)しいおイモを食べさせてあげたい!」など、ほしい理由も書いてある。

 一方、ネットで資金を募る「クラウドファンディング」では、サルたちが憩い、遊ぶための植樹やリハビリ施設の改修などの計画をアピール。金額別にお礼の品があり、多額の寄付にはスタッフの園内特別ガイドを用意する。

 このほかセンターのホームページでは「動物たちが喜ぶので、ほしい物リスト」で果物や野菜などを、ほおばるサルたちの写真付きで挙げる。「中古でもいいのでほしい物リスト」にも支援が集まり、エアコンなどは必要数がすぐに集まった。CDコンポを寄付した愛知県春日井市の旅行業、水谷由佳さん(54)は「園は資金がなくても工夫していて楽しい」。リストを見た岐阜県関市の刃物メーカーからは新品の包丁約30丁が届いたという。

 また、古くなったスタッフTシャツを新調しようと、6月に動物を描いたTシャツをネット販売。短文投稿サイト「ツイッター」で「貧乏なセンターは被服費を被服を売って稼ぐことになりました」と自虐的につぶやくと反響を呼び、目標の約6倍の3100枚以上が売れた。

 いずれもネットになじんだ若手スタッフのアイデアで、寄付で賄えた分の資金は施設改修の積み立てに回す。飼育員数人で「ツイッターを盛り上げる会」を作り、餌やりシーンの動画を投稿するなど楽しめる情報発信にも熱心だ。担当の安部由里香さん(28)は「たくさんの支援はありがたく、動物たちは喜んでいる。今後も継続して支援いただけるよう工夫します」と話している。【川瀬慎一朗】

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