「パリ協定」へルール詰め COP25 2日から開幕 190カ国・地域参集

「パリ協定」へルール詰め COP25 2日から開幕 190カ国・地域参集

スペインのマドリードで2日開幕する国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場=AP

 国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日、スペインのマドリードで開幕する。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が来年1月に本格スタートするのを前に、条約に加盟する約190の国と地域が、協定の下で温室効果ガス削減を進めるための詳細ルールに最終合意し、温暖化対策強化の基盤を作ることを目指す。また、世界各地で温暖化が原因とみられる被害が顕在化する中、削減目標強化の機運醸成も期待される。会期は13日まで。

 パリ協定は、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目指し、各国が独自に削減目標を決めて国連に提出する仕組み。前回COP24で、この仕組みを運用する実施指針(ルールブック)を採択。先進国や途上国の区別なく、すべての国が同じルールの下で対策を進めることが決まった。

 COP25での最大の論点は、パリ協定で定めた、他国が削減した排出量を自国の削減目標達成に活用できる仕組み「市場メカニズム」の実施ルールについて合意できるかだ。

 他国の排出削減を支援した国は、削減できた分を自国の排出分から差し引くことができるが、支援を受けた国は自国の実績にはできない。このためブラジルなど一部の途上国は、支援を受けた削減分も実績として認めるよう主張している。しかし削減分を二重に計上することになるため、先進国などは反対している。COP25で合意できなければ、対策強化の議論が遅れる恐れがある。

 また、各国は国連に提出済みの2030年までの削減目標を見直し、来年2月までに再提出することになっている。世界第2位の温室効果ガス排出国である米国のトランプ政権が11月にパリ協定からの離脱を国連に正式通告し、機運低下が懸念される中、目標引き上げを促す合意が採択されるかも焦点だ。

 国連のグテレス事務総長は20年までに温室効果ガスの排出量が多い石炭火力発電所の新設中止を各国に求めており、石炭火力を「ベースロード(基幹)電源」と位置づけ新設を認める日本政府に対しては、国際社会からの批判は強まる。政府代表として演説する小泉進次郎環境相が新たな方針を打ち出すかにも注目が集まる。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんも会議に参加する予定で、さらなる対策強化を各国に迫るとみられる。

 近年、世界各地で熱波や豪雨による被害が頻発する。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は今年、将来の温暖化影響を予測する特別報告書を相次いで公表した。50年に穀物価格の高騰で飢餓リスクが増大する可能性や、今世紀末には海面水位が最大で1・1メートル上昇するなどと指摘。温暖化対策の強化は急務で、9月の国連気候行動サミットでは77カ国が50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする目標を公表した。

 議長国・チリ政府は10月、国内での大規模な反政府デモを理由にチリでの開催中止を表明。急きょ開催地がスペインに変更となった。【鈴木理之】

地球温暖化対策とCOPのあゆみ

1992年 国連環境開発会議(地球サミット)で気候変動枠組み条約採択(94年発効)

  95年 条約第1回締約国会議(COP1)で先進国の取り組み開始

  97年 COP3で京都議定書採択。先進国に温室効果ガス排出削減を義務付ける

2001年 米国が京都議定書離脱

  05年 京都議定書発効

  07年 COP13ですべての国が参加するルール検討に合意

  14年 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次報告書が「人間活動が温暖化原因」とほぼ断定

  15年 COP21でパリ協定採択。途上国を含む全ての国に削減目標策定と国内対策を課す

  16年 パリ協定発効

  19年11月 トランプ米政権がパリ協定から離脱通告する文書提出

  20年1月 パリ協定スタート

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