四つ葉クローバー600本を医療従事者に 幸せ運ぶ元タクシー運転手

四つ葉クローバー600本を医療従事者に 幸せ運ぶ元タクシー運転手

今井さんが贈った四つ葉のクローバー。裏には幸運を願う言葉も印字されている=宮崎県延岡市の市医師会病院で2021年7月19日午後4時40分、重春次男撮影

 新型コロナウイルスに向き合う医療従事者への感謝を込め、宮崎県延岡市出身の元タクシー運転手、今井泉さん(75)=秋田県大仙市在住=が、幸運を呼ぶとされる四つ葉のクローバー600本を延岡市医師会に贈った。文字通り「幸」せを「運」ぶライフワークの一環で、今井さんは「コロナ禍の古里を応援できれば」とエールを送る。

 今井さんは56歳の時、長年勤めた秋田県内の電機メーカーをリストラされ、2003年にタクシー運転手に転身した。翌年夏、客待ち中に偶然見つけた四つ葉のクローバー。その日、沈んだ表情で乗り込んだ女性客に手渡すと笑顔を見せ、それ以来、乗客にプレゼントするようになった。

 毎日のように空き時間に採取し、数が足りなくなれば自宅で栽培した。お見舞いに行く人や新婚夫婦、受験生。贈った乗客から「お守りにしています」「志望校に合格できた」と感謝の手紙が届くこともあった。09年にはそんなエピソードをまとめたエッセー集「幸せを運ぶタクシー」(ダイヤモンド社)を出版した。

 20年3月にタクシー運転手を引退。運転手時代の16年間に贈ったクローバーは約5万5000本に上り、現在も図書館や病院に寄贈を続けている。今井さんは「古里でもコロナで奔走しているであろう医療従事者に感謝の気持ちを伝えたかった」と話す。

 19日は今井さんの親族で、延岡市在住の松井聖明(まさあき)さん(45)が「少しでも力になれば」と、市医師会の佐藤信博会長にラミネート加工されたクローバーを代理で手渡した。佐藤会長は「これを励みに新型コロナの終息を願って頑張る」と謝辞を述べた。クローバーは近く市医師会に所属する医療機関に配られる。【重春次男】

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