6割の自治体で11月末の接種完了「見通せず」 9割強が計画変更

6割の自治体で11月末の接種完了「見通せず」 9割強が計画変更

新型コロナウイルスのワクチン接種準備が整った注射器=手塚耕一郎撮影

 新型コロナウイルスのワクチンの供給減を受け、毎日新聞は都道府県庁所在市と東京23区の計69自治体を対象に調査を行った。政府が当初目標に掲げた「11月末までの全希望者の接種完了」が可能かを尋ねたところ、16日時点で42自治体(61%)が「見通せない」、4自治体(6%)が「不可能」と回答した。政府は21日、10月初旬までに12歳以上人口の8割相当分を各都道府県に配ると発表したが、混乱の収束につながるかは不透明だ。

 ワクチンは2週間ごとに国から各自治体に供給される。8月前半分の供給量が16日までに確定したことを踏まえて調査し全自治体から回答を得た。「可能」は21自治体(30%)で、新潟市、熊本市は選択肢以外の回答を寄せた。

 菅義偉首相はワクチン接種を感染対策の「切り札」とし、17日の読売テレビの番組では接種完了時期を「10〜11月の早い時期」に前倒しする考えを表明。一方、政府に促されて接種を加速させてきた自治体の現場では、ワクチン不足から混乱が広がっている。

 8月前半分の供給量は、48自治体(70%)が希望量の5割以下だったとし、希望量を受け取った自治体はなかった。供給減は7月以降、顕著になっており、23自治体(33%)が新規予約の受け付けをすべてまたは一部停止したと回答。このうち4自治体は予約を再開し、10自治体は「再開の見通しは立った」としたが、9自治体は「再開の見通しが立っていない」と答えた。

 7月中旬から新規予約を停止した東京都中野区は8月から受け付けを再開する予定だが、「接種数を抑制することになる」として接種ペースは当初水準には戻せない状況だ。「当初計画通り進められる」としたのは3自治体のみで、全体の9割強が接種計画の何らかの変更を余儀なくされている。

 8〜9月の接種体制で検討していること(複数回答)は、「予約枠を減らす」が49自治体(71%)、「集団接種会場を減らす」が23自治体(33%)、「今後予定していた集団接種会場の開設を取りやめる」が9自治体(13%)。現役世代の接種が本格化する時期だが、供給減に伴い全国的に体制の縮小が進みそうだ。

 一方、65歳以上の高齢者への接種を7月末までに完了させることについては、64自治体が「可能」と回答。東京都文京区、和歌山市が「間に合わない」とし、宇都宮市、広島市は無回答、新潟市は選択肢以外の回答をした。【横田愛】

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