かさ上げ6メートル「命の道」津波被災の仙台で完成

かさ上げ6メートル「命の道」津波被災の仙台で完成

東部復興道路の通り初めをする車列。後方には震災遺構の荒浜小が見える=仙台市若林区で2019年11月30日、滝沢一誠撮影

 東日本大震災の津波で被災した教訓を踏まえ仙台市が沿岸部にかさ上げ整備した「東部復興道路」が30日、開通した。当初3月の完成予定が地盤改良や台風19号の被害で2度延期され、待ちわびた多数の住民が災害時に安全を守る「命の道」の完成を祝った。【滝沢一誠】

 道路は津波で被災した市東部の宮城野区・若林区を南北に縦断し、七北田川河口の高砂橋から名取川河口の閖上大橋までの10・2キロを結ぶ。大部分を旧県道10号と並行するが、新道は約6メートルかさ上げされ、震災級の津波を海岸堤防と共に「多重防御」する。また復興道路から内陸部に通じる3本の道路を避難道路に指定し、沿岸部の住民が円滑に避難できるよう再整備した。

 地盤改良のため3月の完成予定を10月19日に延長したが、台風19号の豪雨でのり面の表土が流出し、復旧のため再度延期に。11月下旬に工事が終わり、42日遅れて開通に至った。

 同区荒浜の震災遺構、旧荒浜小で行われた開通式には、市の関係者や地元住民ら約120人が出席。郡和子市長は式辞で「津波被害から人々を守る『命の防波堤』。震災と復興を末永く伝えるシンボルでもある」と道路の意義を強調した。その後、道路上でくす玉開きとテープカットを行い、関係者の車が新道の通り初めをして開通を祝った。

 式では、市立高砂中の3年生4人が道路への「期待の言葉」を地元住民を代表して発表した。石田尚也さん(15)はこれまで受けた支援や励ましに感謝し「道路の開通は、私たちを支えた人々の喜びにもつながる」と述べた。浅野蓮久(れく)さん(15)は「道路の完成で地域の防災意識がますます向上すると思う。復興道路や避難タワーを活用できるよう、地域の防災訓練に進んで参加したい」と決意表明した。

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