大川小 責任も教訓、ともに伝承 石巻市長が謝罪 旧校舎に赴き線香 宮城

大川小 責任も教訓、ともに伝承 石巻市長が謝罪 旧校舎に赴き線香 宮城

説明会で遺族に陳謝した後に旧大川小校舎を訪れ、「大川伝承の会」の佐藤敏郎さん(左)や鈴木典行さん(奥右)の話を聞く宮城県石巻市の亀山紘市長(右)=同市で2019年12月1日、和田大典撮影

 東日本大震災で児童74人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小を巡り、市が1日に開いた遺族説明会。亀山紘市長は事前防災の不備や遺族への事後対応について、謝罪を繰り返した。その後、被災校舎に遺族と初めて足を踏み入れ、裁判で指摘された責任も教訓として遺族と一緒に伝承していくことを誓った。【百武信幸】

 遺族説明会は関係者の謝罪から始まった。亀山市長は「学校管理下で大切な児童の命を救えずご遺族に心からおわび申し上げたい」、市教委の境直彦教育長は「震災後十分対応をできず、皆さんの心を傷つけてしまった」と謝罪。県教委の伊東昭代教育長は「これからの教職員に知識だけでなく強い思いを持ってもらうためにも大川小を訪問する研修をしていく」と誓った。

 質疑では6年生の次女を亡くした女性が「8年半前に納得いかない説明で打ち切られ、つらい思いをするならもういいと蓋(ふた)をした遺族がほとんど」と話し、遺族が事後対応で傷ついた問題を指摘した。

 この日に参加したのは54遺族中17遺族の27人。過去の説明会での不誠実な対応に傷つき距離を置いた遺族も多く、欠席した遺族からは「議会向けのパフォーマンス」「反省もない形だけの謝罪は受けられない」との声も上がる。

 亀山市長は事後対応の不備を認め、欠席した遺族らに「こちらから戸別訪問し謝罪することを検討したい」と述べた。

 また、今も行方不明の児童4人の捜索を尋ねられ、亀山市長は「最後の一人まで捜索していきたい。引き続き発見できるよう努力する」として来年度以降の予算確保を約束した。

 次女で6年の真衣さんを亡くした鈴木典行さん(54)は涙を拭いながら「謝罪は受け入れられない。学校に行って子供たちにごめんなさいと言ってほしい」と要望。これを受け、亀山市長は終了後、菅原秀幸副市長や両教育長と旧校舎に赴き線香を上げた。鈴木さんや6年生の次女みずほさんを亡くした佐藤敏郎さん(56)の案内で初めて校舎内に足を踏み入れた。

 終了後、亀山市長は「学校管理下で悲劇が二度と起こらぬよう、裁判の結果も踏まえ、ご遺族と一体となって教訓を伝えていきたい」と述べた。

 鈴木さんは「検証の再スタートを切り、伝承にもつなげたい」、佐藤さんは「一緒に向き合っていくきっかけになった。石巻市が先頭に立ち全国に学校防災を発信できたらいい」と話した。

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