大阪・ミナミ通り魔上告審 「無期」は裁判官全員一致 裁判員裁判での死刑判決覆ったのは5件目

大阪・ミナミ通り魔上告審 「無期」は裁判官全員一致 裁判員裁判での死刑判決覆ったのは5件目

事件で亡くなった南野信吾さんの遺影を掲げ、判決後の記者会見に臨む遺族の代理人弁護士ら=東京都千代田区で2019年12月2日午後4時44分、山本将克撮影

 大阪・ミナミの繁華街で2012年、通行人の男女2人を無差別に刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職、礒飛(いそひ)京三被告(44)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は2日、被告側、検察側双方の上告を棄却した。裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役とした2審判決が確定する。裁判官5人全員一致の意見。

 小法廷は、被告が被害者に突然襲いかかって包丁で刺した点を挙げ「執拗(しつよう)さ、残虐さが際立つ」と述べて、死刑選択の当否を慎重に検討すべき事件だとした。

 しかし、覚醒剤中毒の後遺症による幻聴が犯行の一因となっていたことは考慮すべきで、被告が犯行の約10分前に包丁を購入したことを踏まえると「無差別殺人について特段の計画や準備をしたとも認められない」と指摘。死刑は究極の刑罰であり、無期懲役を選択した2審が不当とは言えないと判断した。

 1審・大阪地裁判決(15年6月)は幻聴の影響は限定的だったとして求刑通り死刑を言い渡した。これに対し、2審・大阪高裁判決(17年3月)は計画性が低く、幻聴の影響も無視はできないとし、無期懲役としていた。

 判決によると、礒飛被告は12年6月10日昼、大阪市中央区東心斎橋1の路上で、イベント会社プロデューサーの南野信吾さん(当時42歳)と飲食店経営の佐々木トシさん(同66歳)の2人を包丁で襲って殺害した。

 裁判員裁判の死刑判決が2審で無期懲役となった例は今回を含めて5件あり、いずれも2審の判断が最高裁で確定することになる。【服部陽】

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