「不祥事に抗議示すため」消防士自殺 外部調査委が結論 山口・宇部

「不祥事に抗議示すため」消防士自殺 外部調査委が結論 山口・宇部

自殺した松永拓也さんの遺影を胸に記者会見する父哲也さん=山口市滝町の山口県庁で2019年12月2日午後2時23分、平塚裕介撮影

 今年1月に山口県宇部市の男性消防士(当時27歳)が自殺し、地元消防局の外部調査委員会が、自殺は職場の不祥事に抗議を示すためだったと結論付けたことが、遺族への取材で判明した。遺族らは2日に山口県庁で記者会見し、関係者への適切な処分や職場環境改善への道筋を示すよう訴えた。今後提訴も検討している。

 亡くなったのは、宇部中央消防署員の松永拓也さんで、1月23日に自宅で命を絶った。その際、職場内のパワハラや先輩職員の金銭問題を告発し、組織の隠蔽(いんぺい)体質を指摘する遺書が見つかった。宇部・山陽小野田消防局は2月下旬、弁護士3人による外部調査委員会を設置し、自殺との因果関係を調査した。

 8月にまとまった調査報告書によると、松永さんら8人から計141万円を借金した先輩職員や、同僚に人格を否定するような発言をした別の先輩職員に対し、懲戒処分ではなく文書訓告にとどまったことを松永さんが憂慮していたと指摘。組織に不信感が積み重なる中、消防車の部品損傷を巡って上司に叱られたことなどを機に、組織の隠蔽体質に抗議するための自殺だったと結論付けた。

報告書はパワハラ否定、遺族は職場改善求め会見

 一方、報告書では、上司の叱責は自殺の一因としつつも「パワハラに該当するとは言い難い」とした。

 2日、県庁で記者会見した松永さんの父哲也さん(62)は、いまだに関係者処分や改善策を示さない消防局に対し「人命救助の職場なのに、これでは市民は安心できない。息子のような人が出ないように職場改善を求めたい」と話した。

 宇部・山陽小野田消防局は、報告書を受けてさらに内部調査していると説明。来春にも対策や処分を決める方針という。【平塚裕介、反田昌平】

関連記事(外部サイト)