「食事でサポートしたい」がん闘病支えるレシピ 姉亡くした男性、料理サイト運営

「食事でサポートしたい」がん闘病支えるレシピ 姉亡くした男性、料理サイト運営

「カマエイド」を運営する門間寛修さん=松山市で2019年11月22日午前11時39分、花澤葵撮影

 がんで亡くなった姉の闘病を支えた経験から、がん患者と家族を食事を通じてサポートしようと起業して患者向け料理レシピサイトを開設した男性が松山市にいる。「味がしない」「かむのがつらい」などといった悩みに応じた料理レシピを紹介する無料サイト「カマエイド(https://kama−aid.com/)」。既に約1400件のレシピを掲載。利用者の感想なども見られるように、今月リニューアルし、さらに使いやすくする計画だ。【花澤葵】

 サイトを運営するのは松山市の門間寛修(かどま・ひろみち)さん(35)。門間さんの姉は、2014年に副腎がんが見つかり、発覚から約1年後に39歳で亡くなった。発覚後、門間さんは「自分には何もできない」と無力感に襲われる中、抗がん剤治療の影響などで味覚障害や少量しか食べられないといった悩みを抱く姉のために、妻と食事面のサポートをすることに。レシピを試行錯誤する中で、少しずつ前向きな気持ちになれた。

 そうした経験から、当時ウェブマーケティング会社に勤めていたが、患者や家族を支えたいとカマエイドを運営するための会社を16年1月に設立して独立。大妻女子大家政学部教授でがん病態栄養専門管理栄養士の川口美喜子さんの協力を得てサイトを開設し、18年から本格稼働した。

 レシピは全て管理栄養士監修で、主食や副菜、汁物やデザートなど多様にそろえる。「悩み」「味覚」「食材」などの項目からレシピを検索でき、作り方や調理時間、栄養バランスを掲載している。

 管理栄養士のコメント付きで、「味がしない」などの悩みに対応した「鮭ときゅうりのちらし寿司(ずし)」のレシピでは、「単純に味付けを濃くしようとせず、酸味や香辛料・香味野菜などで味にアクセントをつけることが大切」といったアドバイスが書かれている。

 作りやすさや季節感を意識し、月に50〜60件のレシピを更新。月間利用者数は約1万人で、利便性を高めるための有料プランも検討している。

 門間さんは今年、がんに関するフォーラムで、カマエイドのレシピで作った料理をきっかけに、引きこもりがちだったが化粧をして外食に出かけたと話す女性患者に出会ったという。「食事でがんを治すことはできないが、サポートすることはできる。患者と家族の生活を支え、前向きになれるきっかけとなるサービスを提供していきたい」と話す。

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