どんなに軽くても「体罰」 「しつけ」と区別し禁止明記 厚労省が指針案

どんなに軽くても「体罰」 「しつけ」と区別し禁止明記 厚労省が指針案

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 「しつけ」を名目とした児童虐待を防ぐため、厚生労働省は3日、体罰の範囲や予防策の指針案をまとめた。体罰をしつけと区別し、「子どもの身体に苦痛や不快感を与えるもの」として法で禁じられると明記。具体例も挙げ、どんなに軽いものでも該当するとした。暴言や無視といった心理的虐待も体罰と同様の行為とみなした。この日の有識者検討会で大筋了承された。

 指針案は、今年6月の児童福祉法などの改正で、親による体罰の禁止が明記されたことを受け、検討会が議論してきた。日本では「しつけのための体罰はやむを得ない」という意識が根強いことを指摘し、「体罰で押さえつけるしつけは許されない」と強調した。体罰は子どもの発達に悪影響を与え、子どもの権利を侵害すると説明。たたく、怒鳴るなどの方法は子どもを恐怖によりコントロールしているだけで、親子関係の悪化も招くとした。

 また、?をたたく、長時間正座させるなど、体罰に該当する具体例も挙げた。同法改正の際、政府は暴言については線引きが難しいとして、法で禁じる体罰に含めないとの見解を示していたが、指針案は暴言や無視も「子どもの心を傷つける行為」として、体罰と同様と位置づける。親に向け、子どもとの接し方や親自身の意識の見直し方など具体的な対応策も挙げた。親などへの罰則は盛り込まない。

 法改正は、東京都目黒区で昨年3月に起きた船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)の虐待死事件がきっかけだった。しつけを口実にした暴力が原因とみられ、親による子どもへの体罰禁止の規定ができた。厚労省は近く意見募集(パブリックコメント)を実施し、今年度内に指針を策定する方針。【村田拓也】

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