愛知、死亡事故「ワースト脱却」なるか 県警「最多」の12月を警戒

愛知、死亡事故「ワースト脱却」なるか 県警「最多」の12月を警戒

交通取り締まりを前に出発式に臨む警察官ら=愛知県設楽町で2019年11月2日午前10時3分、高井瞳撮影

 交通事故の年間死者数が昨年まで16年連続で全国ワーストの愛知県が、今年は3日現在で最多の千葉県(153人)に次ぐ142人となっており、愛知県警は「ワースト脱却」を目指して警戒を強めている。事故原因の分析や啓発活動、交通取り締まりの強化などが実を結んでいるとみられるが、県警は「12月は事故が最も多発する時期。まだ油断できない」と気を引き締める。

 県警によると、今年1〜11月の交通人身事故の発生件数は昨年より3901件少ない2万8067件で、死者数も昨年同期比28人減の142人となっている。全国ワーストは2003年から続き、昨年は前年比11人減で68年ぶりに200人を割ったものの汚名返上はかなわず。自動車保有台数が全国最多であることや、道路面積が北海道に次いで2番目に広く、高速走行につながりやすいことなどが背景にある。

 県警は15年4月から、事故の発生場所や時間、当事者の年齢などの情報をデータベース化し、地図上に情報を表示できるシステムを導入。17年4月には、事故原因の分析や事故抑止を専門に扱う「交通死亡事故抑止総合戦略室」を新設し、事故が多発する地域や時間帯に絞って取り締まりをしてきた。

 また、交通事故死者の大半が65歳以上の高齢者であることを踏まえ、18年11月からは高齢者が集住する地区で重点的に交通安全イベントを実施。県警交通総務課の担当者は「手当たり次第に取り締まりやイベントをするのではなく、目的を持って効率的に対策を取ったことが死者数減少の一因では」と話す。

 日没後の事故や忘年会シーズンで飲酒運転が急増する12月は、死亡事故が多発する傾向にある。愛知県の過去5年間の12月の死者数は平均23・2人で他の月に比べ最も多く、県警はドライバーには早めのライト点灯やハイビームの積極活用を、歩行者には反射材の装着などを呼びかける。県警幹部は「悲惨な事故を一件でも減らせるよう、『ストップ・ザ・ワースト』を合言葉に事故抑止に力を入れたい」と気を引き締める。【高井瞳】

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