「アンズの里」次世代に 移住デザイナーがブランド化に挑戦 広島

「アンズの里」次世代に 移住デザイナーがブランド化に挑戦 広島

小林章宏さんがデザインしたマスコットキャラクター「あんずちゃん」

 広島県福山市田尻町で300年以上続くアンズ栽培を受け継ごうと、田尻町に移住したグラフィックデザイナー、小林章宏さん(53)がブランド化の取り組みを始めた。生産者の高齢化で多くのアンズ畑が手入れできなくなっており、小林さんは「畑の管理から商品開発、販売までを支援し、田尻のアンズを次世代につなぎたい」と意気込んでいる。【関東晋慈】

 小林さんは府中市出身。東京などでのデザインの仕事を経て、8年前に田尻町に移り住んだ。

 約3000本の果樹がある田尻町は「アンズの里」と呼ばれるが、手入れされないまま放置される畑が増え、生産量は減少傾向にある。「田尻町杏(あんず)のふるさと振興会」出荷部会の住吉盛行会長(73)によると、2005年に約5トンあった出荷量は、21年には2トン弱に。振興会会員は約50人いるものの、実際に生産しているのは6人で全員が70歳以上という。

 荒れたアンズ畑を見て残念に思っていた小林さんは、住吉会長らと相談し、21年4月に「田尻杏屋」を開業。知人からアンズ畑約15アールを借り、6月に約200キロを収穫した。果実から皮と種を取って冷凍パックした商品を作り、市内のカフェなどに販売している。

 9月6日には、町内の高台にある畑で、住吉会長らに果樹の管理方法を教わる小林さんの姿があった。

 小林さんは「田尻のアンズの花は知っていても食べたことがない人は多い。アンズといえば福山となるようアピールし、将来は生産者仲間も増やして無農薬栽培もしたい」と夢を語った。住吉会長は「無農薬栽培は難しいよ」と応えながら、小林さんの挑戦をうれしそうに見つめる。

 マスコットキャラクター「あんずちゃん」を作り、インスタグラムなどで田尻町のアンズのおいしさをPR。スイーツなどの商品開発を地元企業などに呼びかけている。

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