希少淡水魚「イバラトミヨ」に新種 日本産106年ぶり 山形大研究

希少淡水魚「イバラトミヨ」に新種 日本産106年ぶり 山形大研究

「カクレトミヨ」と命名されたイバラトミヨの特殊型=半沢直人・山形大教授提供

 山形県の天童、東根両市のみに生息する絶滅危惧種の希少淡水魚「イバラトミヨ」(トゲウオ科トミヨ属)の特殊型が山形大学の研究で、世界のどのトミヨ属の種とも異なる新種として、動物分類学の国際専門誌で発表された。日本産トミヨ属では、106年ぶりの新種記載で、国による生息地の保全対策が加速することが期待される。【藤村元大】

 新種の学名は「Pungitius modestus」。和名は、水草に隠れて出てこない習性があることから「カクレトミヨ」と命名された。正式に学名が付いているトゲウオ科トミヨ属は世界で11種で、このうち日本には、北海道に分布するエゾトミヨなどがいる。

 カクレトミヨは体長5〜6センチ程度。天童市、東根市の3カ所で生息が確認され、うち2カ所が、県天然記念物に指定されている。

 これまで、カクレトミヨは、イバラトミヨの特殊型とされてきたが、同大は、世界中の保存機関にある他のトミヨ属有効種と背びれのとげの色やうろこの大きさなどを比較した。その結果、明らかに形質が異なっていることが判明。イバラトミヨの特殊型は、地域固有の新種「カクレトミヨ」として、研究論文がニュージーランドの動物分類学の国際専門誌「Zootaxa」に掲載された。

保全加速に期待

 同大によると、カクレトミヨは、温暖化に伴う渇水などで絶滅のリスクが高まっているが、これまで正式な学名が付いていないことから、国の重点的保全対策の対象外になっている。今回、学名が付いたことから、種の保存法が適用され、生息地の保全対策が進むことが期待される。

 研究は、同大理学部の半沢直人教授と同大大学院修了生の松本達也さんらが行った。松本さんは「研究をきっかけに、保全が進むよう期待したい」と話した。

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