米軍放出の下水道から高濃度の有機フッ素化合物 宜野湾市が調査

米軍放出の下水道から高濃度の有機フッ素化合物 宜野湾市が調査

水質調査の結果を受け、記者会見する沖縄県宜野湾市の松川正則市長=宜野湾市役所で2021年9月10日午後4時8分、竹内望撮影

 在沖縄米海兵隊が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から発がん性が指摘される有機フッ素化合物を含む水を処理した上で公共下水道に放出した問題で、宜野湾市は10日、放出当日に採取した下水道水から、国が定める水道水などでの暫定目標値の約13倍の濃度の有機フッ素化合物が検出されたと発表した。市は米軍の処理が適切でなかったか、飛行場内に別の汚染源がある可能性があるとして、下水道水を再度採取するなどして調査を続ける。

 市役所で記者会見した松川正則市長は「高濃度の値が出たことに、非常にがくぜんとしている」と述べた。

 在沖縄米海兵隊は8月26日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)」「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」を含む水を処理した上で放出。水に含まれるPFOSとPFOAの合計は「1リットル当たり2・7ナノグラム以下に低減されている」として安全性を強調した。国が定める水道水などの暫定目標値は合計で1リットル当たり50ナノグラム以下とされている。

 市は放出開始から約1時間半後、普天間飛行場の汚水が集約される下水道から水を採取。調査の結果、両物質の合計は1リットル当たり670ナノグラムで、国の暫定目標値の約13倍だった。同じ場所で2019年と20年にも水質調査しているが、両物質の合計値は19年が25ナノグラム、20年が13ナノグラムだった。市は9月9日にも下水道から水を採取しており、水質について改めて調査する。市の島袋清松・上下水道局長は「処理水以外の汚水も入っているので、(処理水と高濃度の)因果関係は今のところ難しい」とした。

 処理水の放出に対し、日本政府や県、市は当日、中止を求めたが、米海兵隊は夕方まで放出を続け、約6万4000リットルを流した。県議会は10日、「地元の不安を解消し納得できるような説明もないまま放出を強行したことは断じて容認できない」とする在日米軍司令官ら宛ての抗議決議と日本政府宛ての意見書を全会一致で可決した。【竹内望】

関連記事(外部サイト)