名張毒ぶどう酒事件「再審開始を」無言の訴え 名古屋高裁前

名張毒ぶどう酒事件「再審開始を」無言の訴え 名古屋高裁前

再審開始決定を求め、裁判所に向かって拳をつき上げる支援者ら=名古屋市中区の名古屋高裁前で2021年9月10日午後0時37分、道永竜命撮影

 1961年に三重県名張市で女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件で、奥西勝・元死刑囚=収監先で病死=に名古屋高裁で逆転死刑判決が言い渡されてから52年の10日、特別面会人を務めた稲生昌三さん(82)ら支援者ら100人が名古屋高裁前に集まり、再審開始決定を求めるプラカードを掲げて無言の訴えを行った。

 支援者らによる「全国の会」などが主催。再審請求を引き継ぐ奥西元死刑囚の妹・岡美代子さん(91)は新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して現地参加は見送ったが、「兄・勝は人生を司法によって翻弄(ほんろう)された。私の命のあるうちに兄の名誉回復をなんとしても果たしたい」などとするメッセージを寄せ、現地で紹介された。参加者らは「名古屋高裁は一刻も早く再審を開始せよ」とのかけ声に合わせ、無言のまま拳をつき上げた。

 稲生さんによると、岡さんとは8月に面会し、今月9日にも電話があった。健康ではあるが、コロナ下で外出を控えているという。稲生さんは「岡さんは食事はおいしく食べていると聞いたが、さすがに年は争えないようだ」と気遣い、「何としても再審を切り開きたい」と話した。【道永竜命】

関連記事(外部サイト)