「黒い雨」原告以外も早期の被爆者認定を 広島県・市が国に要望書

「黒い雨」原告以外も早期の被爆者認定を 広島県・市が国に要望書

広島県庁=本社ヘリから北村隆夫撮影

 広島原爆の「黒い雨」訴訟で広島高裁判決が確定し、原告以外も救済する方針を示している国に対し、広島県と広島市が14日、被爆者認定の審査基準を早急に改正し、遅くとも2022年度当初から運用を始めるよう文書で要請した。

 田村憲久・厚生労働相宛ての要請書で、過去の調査で示された黒い雨の降雨域の外側で雨に遭った人も被爆者として救済するよう初めて明記。救済に向けた制度改正のスケジュールを示し、被爆者健康手帳の申請時期によって援護に不公平が生じないようにすることも求めた。

 県と市は8月初旬に原告84人の被爆者手帳発行を終え、今後は原告と同様の事情にありながら被爆者と認定されていない人への対応が急務。手帳申請に関する相談は訴訟の支援団体に寄せられたものも含めて500件を超え、一部は10月にも集団申請する見込み。これまで2回あった県市と国の協議は事務的な内容にとどまっているといい、市原爆被害対策部の河野一二部長は「多くの方から受けた切実な声を国に届けたい」と話した。厚労省の担当者は取材に「事務的な確認作業を進める」とした。

 原告側弁護団の竹森雅泰事務局長は「高齢の対象者に残された時間はわずか。早急に審査基準を改定してほしい」と訴えている。

 黒い雨を巡っては、区域外で雨に遭った原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決が7月に確定。菅義偉首相は「原告と同じような事情」にあった人も救済する方針を示している。【小山美砂】

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