江戸川乱歩館火災、資料補修進む 作家ら心配の声、高まる関心

江戸川乱歩館火災、資料補修進む 作家ら心配の声、高まる関心

焼け残った資料を慎重に確認する研究者ら=三重県鳥羽市で2021年11月15日、林一茂撮影

 10月下旬に起きた三重県鳥羽市鳥羽2の「江戸川乱歩館〜鳥羽みなとまち文学館」の火災で、焼け残った貴重な資料の復旧・保存作業が急ピッチで進んでいる。消火活動で水浸しになった資料を乾かし、黒くなった焦げ跡をはけでぬぐい取るなどの地道な作業に、研究者や地元のボランティアは大忙しだ。一方、ミステリー作家や研究団体から被災を心配する声や資料補修への協力が表明されるなど、江戸川乱歩館復活への関心が高まっている。【林一茂】

 江戸川乱歩館は、構成する4施設のうち風俗研究者の岩田準一(1900〜45年)の木造2階建て旧宅と書斎が全焼し、展示館の鳥羽文学ギャラリーと蔵(幻影城)が焼け残った。旧宅などにあった資料や蔵書の多くは焼失したが、一部は屋外に運び出され、近くの旧医院の車庫に保管された。段ボール箱で約90箱あった。

 復旧・保存は同市ガイドボランティアセンター(同市鳥羽1)で、金城学院大の小松史生子教授ら乱歩・岩田の研究者や、市文化財専門員の野村史隆さん、同ボランティアの会員らが作業に励んでいる。名古屋市や東京都、大阪市在住の研究者は、10日から2週間おきに訪れ、何が焼け残ったかを明らかにする目録作りなどを行い、野村さんら地元の関係者も黙々と作業に従事している。

 復旧支援の動きもミステリー関係団体などから出ている。

 小松教授によると、立教大江戸川乱歩記念大衆文化研究センター(東京都)から、「再建や資料補修の際にはできるだけ協力したい」との申し出があった。日本推理作家協会事務局からは、今回の乱歩館の被災について心配の声が寄せられているという。小松教授が乱歩館の火災後、名古屋市内で開かれた乱歩関連のイベントで講演をしたところ、聴衆から「大丈夫か」などと心配の声が寄せられた。「(乱歩と)縁故の深い名古屋圏の人たちも注目している」と改めて関心の高さを認識したという。

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