カネミ油症「全被害者の救済目指す」 被害者ら集会 基金創設提言も

カネミ油症「全被害者の救済目指す」 被害者ら集会 基金創設提言も

各地の会場とつないで開催されたカネミ油症の高砂集会=兵庫県高砂市で2021年11月20日午後3時58分、山口桂子撮影

 国内最大の食品公害「カネミ油症」の被害者らの集会が20日、兵庫県高砂市であり、認定患者の子や孫を対象とした初の次世代健康調査について、10月末時点で294人分の回答が集まったことが報告された。調査結果は来年1月に報告される見通しで、参加者らは「調査で幕引きではなく、全被害者の救済を目指す」と声を上げ、一体で取り組むことを確認した。

 この日は、高砂会場と、長崎県や福岡県に住む被害者のほか、次世代調査を要望していた民間団体「カネミ油症被害者支援センター(YSC)」が集まった東京会場などをオンラインでつないだ。11月半ばで締め切った次世代調査のアンケートについて、YSCが10月末時点で子世代が254人、孫世代が40人集まったことを報告した。

 高砂会場で参加したカネミ油症被害者全国連絡会の三苫哲也事務局長(51)=福岡市=は「今回調査で対象外となった被害者も含めた救済を求めていきたい」と訴えた。油症被害を研究する高崎経済大の宇田和子准教授は被害者への補償が不十分な点を指摘し「包括的な救済のためにも基金を創設する救済制度の整備を」と提言した。

 集会は、油症発覚50年を前にした2017年から毎年開催しており今年で5回目。カネミ油症の原因物質となったポリ塩化ビフェニール(PCB)を製造した鐘淵化学工業(現・カネカ)の高砂工業所がある高砂市で開いている。【山口桂子】

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