原油価格高騰、イチゴ農家を直撃 ハウス燃料代や資材値上がり 岩手

原油価格高騰、イチゴ農家を直撃 ハウス燃料代や資材値上がり 岩手

出荷を控えたイチゴの実を確認する高橋禎一さん。原油高騰の影響でビニールハウスの燃料代がかさむ=岩手県花巻市石鳥谷で2021年11月12日、松本ゆう雅撮影

 原油価格の高止まりが続いている。2014年以来の高水準で、灯油やガソリンの価格にも影響。資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、岩手県内の灯油の店頭価格(18リットル当たり)は11月に入り7年ぶりの1800円台を突破し、15日時点で1837円と11週連続値上がりしている。世界的な経済活動の再開に伴う需要の高まりなどが背景にあり、影響は県内の農業にも及んでいる。

 「7年前よりも経費は値上がりしており、今回は苦しい」

 花巻市で23年前からイチゴを栽培する「いちごハウスたかはし」の高橋禎一さん(74)は、そうつぶやいた。約30アールのビニールハウスに、とちおとめや紅ほっぺなど4種類のイチゴを栽培し、クリスマスシーズンの前に需要が高まるイチゴを市内のホテルやケーキ店などに直接販売する。

 7年前の高騰も乗り越えてきたが、今年はそれ以上だという。イチゴの栽培は温度管理が重要で、ハウス内を最低8度に保たなければならず、燃料となる灯油は1カ月で7000〜8000リットル使用する。「今年は1リットル当たり20円以上値上がりした。今後も上がるだろうから燃料代は昨年より20万〜30万円高くなるのでは」と心配する。原油が原材料のビニールハウス用資材や肥料の費用も値上がりしているという。

コロナで来園客も減少

 高橋さんの農園では冬から春にかけてイチゴ狩りができるようにしており、例年は家族連れや海外からの観光客など約1万3000人が訪れていた。しかし、新型コロナウイルス禍で客足は遠のき、この2年の来園者数は年約5000人に減少した。高橋さんは「コロナと燃料費の高騰で苦しい状況だ。政治はあてにならないので全て自己責任と思ってやるしかない」と話す。

 県生活協同組合連合会でも、原油価格の高騰を受け、灯油の販売価格を1リットル当たり102円から107円に値上げした。11月の価格としては過去最高という。吉田敏恵専務理事は「今年は異常な価格になっている。利用者の暮らしを苦しめることになってしまい心苦しい」とこぼす。

 県は高齢者やひとり親など生活困窮世帯に1世帯当たり5000円を補助するなどの補正予算案を県議会12月定例会に提出する。県の担当者は「個人が買い控えをすればすむようなレベルを超えている。少しでも生活をカバーできるよう支援したい」と話し、吉田専務理事は「寒さの本番はこれから。油断できない状況が続く」と警戒する。【松本ゆう雅】

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