京王線襲撃 別の乗客に対する殺人未遂容疑などで再逮捕へ

京王線襲撃 別の乗客に対する殺人未遂容疑などで再逮捕へ

京王線国領駅に停車した電車を調べる捜査員ら=東京都調布市で2021年11月1日午前0時20分、宮武祐希撮影

 東京都調布市内を走行中の京王線車内にいた乗客17人が重軽傷を負った事件で、警視庁調布署捜査本部は、住所不詳、無職、服部恭太容疑者(25)=70代男性への殺人未遂容疑で逮捕=を別の乗客数人に対する殺人未遂と、車内に火を付けたとする現住建造物等放火の両容疑で22日に再逮捕する方針を固めた。

 捜査関係者によると、服部容疑者は10月31日午後7時55分ごろ、布田―国領間を走行中の京王八王子発新宿行きの上り特急電車(10両編成)の5号車で、ペットボトルに入れたライター用オイル計約3リットルをまきちらし、点火したオイルライターを投げつけて60代女性ら乗客数人を殺害しようとしたほか、床面を焼いた疑いがある。

 捜査本部はけがの有無に関わらず、出火した5号車にいた乗客には命の危険が迫っていたと判断し、殺人未遂容疑を適用する方針だ。

 服部容疑者は事件前にライター用オイルを約5リットル購入し、2リットルのペットボトル1本と550ミリリットルのペットボトル4本などに小分けして車内に持ち込んでいたとみられる。「仕事のトラブルや友人関係で悩み、人を殺して死刑になりたかった」「乗客を大量に殺したかった」などと供述しているという。【最上和喜、鈴木拓也、木原真希】

乗客撮影のスマホ動画を手がかりに

 服部恭太容疑者の再逮捕に向け、警視庁調布署捜査本部が支えとしたのは乗客が撮影していたスマートフォンの動画だった。

 8月にあった小田急線の乗客襲撃事件では、1車両に4台設置された防犯カメラが事件の様子を克明に捉えていた。捜査幹部は「乗客の記憶だけに頼って事件の状況を確認するのは難しい。小田急事件では防犯カメラがあったため、被害の実態をほぼ正確につかめた」と振り返る。

 一方、京王線の車両に防犯カメラは設置されていなかった。捜査の難航も予想される中、捜査本部が着目したのはツイッターに投稿されていた1本の動画だった。その動画には炎上する5号車から逃げようとする乗客の姿が映っており、捜査本部は分析を続けた。その結果、命の危険が高かった5号車にいた乗客を特定するとともに、服部容疑者の車内での動きを把握できたという。

 また、捜査本部はライター用オイルの燃焼実験も実施し、1リットル程度でも車両自体が燃えることを確認。5号車にいた客を含め計45人の乗客に事情を聴くなどして、詳細な状況を明らかにした。【最上和喜】

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