故郷への「ようやく入り口」準備宿泊 葛尾村、帰還困難区域で最初

故郷への「ようやく入り口」準備宿泊 葛尾村、帰還困難区域で最初

10月末に完成した宿泊交流施設=葛尾村野行で2021年11月21日午後0時46分、肥沼直寛撮影

 政府と福島県葛尾村は21日、来春予定する同村の特定復興再生拠点区域(復興拠点)内の避難指示解除に向けて、30日から準備宿泊を始めることを決めた。東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域で、最も早く始まる。復興拠点は野行地区の一部約95ヘクタールで、登録人口は30世帯83人(1日時点)。

 この日の住民説明会では、環境省が除染の進捗(しんちょく)状況を説明し、11月末に拠点内全域の除染が完了することなどを報告。その後、村が準備宿泊の日程などを説明し、住民から意見を求めた。

 住民からは「準備宿泊には参加したいが、避難指示が解除されてもすぐに戻るかは分からない」「拠点内も村役場で検出される放射線量と同程度まで下げてほしい」などの意見が出た。国の原子力災害現地対策本部の辻本圭助副本部長は、拠点内の線量は科学的には人体に影響がない値であることを説明した上で「安全と安心の数値は違う。解除後も個別に対応し、年間(の追加被ばく量)1ミリシーベルトを目指す」と約束した。

 大槻勇吉行政区長(72)は「ようやく(帰還の)入り口に立った。多くの住民が避難先で家を建て、どれくらい戻るかは分からないが、住民同士、声をかけて泊まりたい」と笑顔を見せた。

 説明会後には10月末に同地区に完成した宿泊交流施設が公開された。拠点内のほとんどの住民が家屋を解体しているため、村は県の交付金約3000万円を活用して整備を進めていた。木造平屋建ての5DKで、風呂やトイレ、エアコン付き。5組、最大10人程度が無料で宿泊できる。事前受け付けは24日から始まる。問い合わせは0120・357・133。【肥沼直寛】

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