病院の利益率、マイナス6.9% コロナ補助金で黒字化 20年度

病院の利益率、マイナス6.9% コロナ補助金で黒字化 20年度

写真はイメージ=ゲッティ

 厚生労働省は24日、医療機関の経営状況を調べた医療経済実態調査の結果を中央社会保険医療協議会で公表した。2020年度の一般病院の利益率はマイナス6・9%で、19年度から3・8ポイント悪化した。新型コロナウイルスの感染拡大による受診控えなどが影響した。コロナ関連の補助金を含めると改善し、わずかに黒字(プラス0・4%)に転じた。

 調査は2年に1度実施され、今回の期間は19〜20年度。22年度の診療報酬改定の基礎資料となり、政府は診療報酬の全体額を定める改定率を議論する。収支は悪化したものの補助金で黒字化したほか、今年6月の収支は前年に比べ回復傾向との結果も出ており、財政当局の引き下げ圧力が強まるとみられる。

 一方、日本医師会の中川俊男会長は24日の記者会見で「医療現場はコロナへの対応を通じて著しく疲弊している。補助金頼りでは安定した病院経営ができない。ちゅうちょなくプラス改定をすべきだ」と述べ、医師の技術料など「本体部分」の引き上げを訴えた。

 調査では、コロナ専用病床がある重点医療機関は約5ポイント収支が悪化するなど落ち込みが顕著だった。赤字だった病院の割合は19年度が約5割に対し、20年度は約6割に増加。補助金を含めても半数近くが赤字だった。1施設当たりの補助金の平均は一般病院で約2億3800万円、コロナ専用病棟がある重点医療機関では約10億円だった。

 20年度の収支は、医療法人が運営する民間病院が0・1%の黒字だった。コロナ対応で中心的な役割を担った国公立病院は、国立がマイナス9・2%、公立がマイナス21・4%。公立は補助金があっても赤字(マイナス7・3%)だった。公的病院(マイナス3%)を含め、19年度から赤字幅が拡大した。

 直近3年の6月の収支を比べると、21年はマイナス4・7%で、20年のマイナス6・6%から回復している。ただ、コロナ前の19年(マイナス2・3%)の水準には戻っていない。

 病院以外の利益率は、一般診療所(医療法人)が3・8%、歯科診療所(同)が6・3%、薬局が6・4%(法人)と、いずれも黒字を確保した。【神足俊輔】

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