「東大美女図鑑」 編集長に女子学生迎え、刊行し続ける理由

「東大美女図鑑」 編集長に女子学生迎え、刊行し続ける理由

編集長を務めた望月花妃さん(左)。コロナ下で対面での活動に制約がある中での編集作業は大変だったという=STEMS UT提供

 11月21〜23日にオンラインで開催された東京大学の大学祭「駒場祭」に合わせ、同大の現役女子学生を紹介する「東大美女図鑑」第14号が刊行された。「ルッキズム」(外見至上主義)の色濃い大学イベントに批判が集まる中、いかなる編集方針に基づいて出版したのか。編集長を務めた同大法学部4年の望月花妃(はなき)さん(22)に話を聞いた。

 同書は、東大生でつくる学生団体「STEMS UT」が発行する写真誌。2014年創刊で、当初は勉強ばかりしていて、おしゃれなどに興味がないという同大の女子学生に対する紋切り型なイメージを変えるべく「美しく知的な存在」を紹介する内容だった。

 しかし、容姿による選別や差別に対する社会の目線が厳しさを増す中、18年刊行の第10号からは編集方針を転換。編集長には女子学生が就任した。また望月さんによると、それまで明確でなかった届けたい相手を「東大を目指す、あるいは目指そうとしている女子高校生」と明確化し、「東大の女子学生の『ありのまま』を知ってもらう」方針を明文化したという。

 最新号(B5判・108ページ、税込み1800円・インターネット販売)のテーマは「箱」。「最近は書名を明かしただけで批判されることがあるが、名前だけでなく、ぜひ中身を見て判断してほしいという意味をこめた」と望月さんは語る。

 取り上げた女子学生は、出身地や学部、所属サークルなど幅広い観点を考慮して参加してもらったという。「読者が自分と重ね合わせられるような存在を見つけてほしい」という編集方針に基づくものだ。また、登場した17人の学生の内面を読者に知ってもらうために、見開きのインタビュー記事を全員分掲載。さらに取り上げた学生たちが自分たちのメークを紹介する企画を設けるなど「誌面を通して、一人一人の内面や個性を伝えられるよう工夫した」と望月さんは語る。

 ルッキズムの問題はもちろん団体自身も強く認識している。「しかし、媒体をなくすことだけが正解と言えるのか。時代の流れをくみ取った上で変化していくことも選択肢の一つではないか」と望月さんは話す。また「東大美女図鑑」という書名も「問題を感じないわけではないが、これまでの読者の存在や先輩方が築いた伝統を考えると、書名を容易に変えることはすべきでない」と考えたという。

 東大では長年、女子学生の少なさが問題となっている。今年度は入学者の女子比率が21%となり「2割の壁」は破られたが、依然として割合は低い。「高校時代に『東大美女図鑑』を読んで東大に憧れ、入学して誌面に携わる学生もいる。誌面を通して、東大の女子学生が身近な存在であることを伝え、東大を目指す女子が増えるきっかけとなってほしい」と望月さんは願う。時代に合わせながら、いかに東大の女子学生の魅力や個性を発信し存在感を高めていけるか。今後も「東大美女図鑑」の模索は続く。【日本大・畑山亘(キャンパる編集部)】

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