丘の上に「ポツンと一軒」、なぜ? 古墳時代の竪穴建物跡発見 松江

丘の上に「ポツンと一軒」、なぜ? 古墳時代の竪穴建物跡発見 松江

丘の頂にポツンと位置する竪穴建物跡。奥が湖の「中海」の方向=松江市東出雲町揖屋で2021年11月25日午前11時6分、小坂春乃撮影

 切り立った丘の上に「ポツンと一軒」の建物跡、その用途やいかに。松江市東出雲町揖屋(いや)の崎田(さきだ)遺跡で、1棟の古墳時代の竪穴建物跡が見つかった。尾根に立地するのは珍しく、煮炊きした形跡も見つかっていない。何の目的で崖に接する所に建てたのか、市埋蔵文化財調査室の担当者は首をかしげる。

 市道整備に伴い、8月中旬から発掘調査し、9月上旬に標高約25メートルの尾根で25平方メートルの建物跡を確認した。炉の跡がなく、熱源によって地面が固まった様子もないことから、煮炊きしながら住居として使ったとは考えにくいという。担当者は「眺望がいいので監視あるいは祭事などに使ったのだろうか」としている。

 尾根から下がった斜面では奈良時代の複数の掘っ立て柱建物跡や「井」の字が書かれた土器が見つかり、識字者の存在がうかがえる。古代山陰道が近くを通るため、交通の要所として発展した集落とみられるという。

 また丘の下の海抜約4メートルの低地にある種前(たねまえ)遺跡では古墳時代の竪穴建物跡を確認したほか、須恵器や漁具など約2000点が発掘された。湖の「中海」に近く、漁業や海運をなりわいにした人々が住んだと考えられる。

 現地説明会は27日午前10時から。問い合わせ先は同室(080・8231・4322)。【小坂春乃】

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